幼稚園や保育園の年中・年長さんくらいになると、何かしらの学習ドリルや幼児教育教材を始めるご家庭が増えてきますよね。
- 幼児は一日に何分くらい学習するのが理想?
- どうすれば集中してお勉強できる?
- 叱ってでもしっかり勉強させた方がいい?
と悩む方も多いと思います。
モンテッソーリ教育とチャイルドコーチングの指導者で1児の母でもある筆者が、詳しくお伝えしていきます。
幼児の勉強時間の理想は15分
そもそも、「幼児期に学習をさせた方がいいの?」というと、答えは Yes です。
なぜなら、小学生以降よりも幼児期の方が身につきやすいことがあるから。
それは決して、漢字や九九を先取り勉強したり、難しい知識を覚えさせたりすることではありません。
幼児期にできるだけ身につけておいた方がよいこととは、
幼児期に身につけたいこと
「勉強って楽しい!」という気持ち
毎日机に向かう習慣
の2つ。
脳の90%ができあがる6歳までに、
「勉強とは楽しいもの」
「毎日勉強しないと何だか気持ち悪い」
と脳の無意識下に刷り込んでしまえば、小学生以降は「勉強しなさい!」と言わなくても勝手に勉強してくれる子になります。
そのためには、幼児期(年中・年長)に毎日約15分くらいは机に向かうのが理想。
幼児向けの各通信教育教材も、一日の学習を『ワークドリル1~3枚・時間は15~20分くらい』と設定されているものが多いですね。
幼児の集中力は『年齢+1分』しかない
でも、幼児が15~20分机に向かうって結構長いですよね。
まだまだ小さい子供ですので、気分が乗ってたくさんやりたいという日もあれば、5分で飽きてしまう日も。
「うちの子はじっと椅子に座っていられない」
「すぐに違うことをやりたくなってしまう」
ということも当然あるでしょう。
実は、小学校入学前の幼児が集中できる時間は、『年齢+1分』。
年中さんなら5~6分、年長さんなら6~7分、集中できればいいということ。
つまり、幼児期の子供が勉強するときにすぐに飽きてしまうのは当たり前のことなのですね。
では、どうすれば15〜20分間、椅子に座ることができるのでしょうか?
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子供は楽しいことには長い時間集中できる!
幼児の集中時間は『年齢+ 1分』とはいうものの、お絵かきやおままごとをしたり、ブロックを組み立てたり、公園で走り回ったりするときには、もっと長い時間集中していませんか?
それはなぜかというと、「楽しいから!」なのです。
子供は楽しいもの、おもしろいことには熱中し、すごい集中力を発揮します。
幼児期の子供が楽しいと感じるポイントは、
- 好き
- 自分の思い通りのやり方でできる
- 親や友達と一緒にできる
こういったポイントあると、理論上の集中時間よりも長い時間、集中して取り組むことができます。
では幼児が楽しく勉強するには?
では、勉強するときにも同じように長い時間集中できるようにするためには、どうすればよいのでしょうか?
それにはまず、
「子供が好きな教材を使う」
こと。
当たり前!と思うかもしれませんね。
でも実際には、子供ではなく親がやらせたいと思う教材を選んでしまっていることが多いのです。
親御さんの意向や理想もあると思いますが、まずは子供が好きな教材を使って学習するほうが、幼児期の子供には効果的。
子供が自ら進んでやりたがる教材で、まずは「勉強=楽しい!」という意識を植え付けましょう。
そして、鉛筆を持ったいわゆる勉強だけではなく、シール貼りやお絵かきなどを含めて、15分をめざすといいですよ。
机に向かう習慣を身につけるには、毎回絶対にいわゆる『お勉強』をしなければいけないわけではありません。
どうしても机に向かいたがらない時には、
「シールを貼ろうよ!」
「お母さん、お絵かきしようかな~」
などとうまく机に誘って、とにかくまずは『短時間でも必ず毎日机に向かう』という習慣をつけていきましょう。
楽しく学習する習慣がついてしまえば、レベルを上げたり、目標を設定して少し難しい教材にチャレンジすることも可能になります。
親と一緒だと、さらに集中時間が伸びる!
さらに、一人で学習するよりも、親が一緒に付き添って学習するほうが集中できる時間が長くなるということがわかっています。
その際のコツは、
子供の勉強を見るときのコツ
- 子供をノセて盛り上げる
- 気持ちを共有する
ということ。
「今日はどんな問題かな?うわぁ、楽しそうだねぇ!」
「昨日はできなかったのに今日はできたね!すごい!」
などと、子供をうまくその気にさせて、「勉強は楽しい」という意識を植え付けましょう。
そして、子供がつまづいていたら、
「うーん、難しいねぇ。じゃあこういう風に考えてみるのはどう?」
と一旦共感してから、提案をしたりヒントを出したりしてみましょう。
できた時には、
「やっとできたね!嬉しいね!」
と一緒に喜んであげるのも効果的。
いつもは忙しいお母さんやお父さんが、勉強するときは隣にいてくれて、一緒に喜んだり悩んだりして同じ気持ちでいてくれる、それは子供にとって何より幸せを感じる時間なのです。
親が一緒にいて気持ちを共有したり褒めたりしてくれると、幸せホルモンである『ドーパミン』が分泌されます。ドーパミンは集中力の元になる物質です。
いずれ学習習慣が身について集中できる時間が長くなっていくと、そのうち一人で長時間学習ができるようになりますよ。
毎日15分付き添うのは大変かもしれませんが、将来自分から進んで勉強してくれるようになる土台を作る大切な時期ですので、「今だけ」と思って頑張りましょう!
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楽しいうちに切り上げるのが、長続きするコツ
また、勉強を苦痛に感じてしまう境界線を超えないためには、毎日の学習で、
子供がやめたいと思う前に切り上げる
ということも大切。
「ちょっと疲れてきているな」
「手や頭の動きが多くなってきて、そろそろ飽きていそうだな」
と察知したら、サッとやめさせるのが、長続きするコツですよ。
そうすれば、楽しい前向きな気持ちのまま学習を終えることができて、次の日にまた「続きをやりたい!」という意欲がわきます。
叱ったり無理強いしたりしてはいけない理由は?
そして何より大切なのが、「決して叱らない」ということ。
子供がやらなかったり文句を言ったりすると、ついイライラしたり怒りたくなってしまうこともありますよね。
でも、幼児期の子供にいくら口で
「集中しなさい」
「最後までやりなさい」
と無理強いしても何も良いことはありません。
『勉強=叱られる・苦痛』
と感じてしまった子供は、その感情が脳の無意識の領域に刷り込まれ、大きくなってもずっと勉強を楽しむことはできなくなってしまいます。
そのリスクは絶対に避けなければならないので、決して叱らないようにしましょう。
何度も言いますが、幼児期の学習の目的は、いま難しい勉強ができるようになることよりも、
『勉強は楽しいと脳に刷り込むこと』
『机に向かう習慣を身につけること』
です。
叱ってまでも「絶対に毎日15分」勉強させると将来的に逆効果になるので、「ゆるめのルール」で「そこそこ」やっていくぐらいでOK。
ドリルが嫌なら、お絵描きや物語の読み聞かせでもいいでしょう。
「1日1回、ほんの数分でも机に向かえばそれでハナマル!」
それくらいのユルい心構えで子供に接するようにしましょう♪
将来のために、今はイライラする気持ちをグッと我慢して、笑顔でやさしく声がけをしていきましょうね。
まとめ 〜幼児期の子供の勉強時間
幼児期は、義務教育のように学年ごとの目標やカリキュラムもないので、どれくらい学習させたらよいのか迷ってしまいますよね。
まわりで早期教育をしているお子さんなどがいると、「うちももっとさせたほうがいいかな?」と焦ってしまうかもしれません。
でも幼児期には、幼児期にしかできない遊びや、親・友達との関わりがあります。
そういう時間を無理に削ってまで、長時間勉強をさせるのは、脳科学的にも心理学的にも、長い目で見て良い効果はありません。
年中・年長の子供の学習時間の目安は、15分。
それも、シール貼りや工作・お絵描きも含めて15分間椅子に座っていられることを、まずはめざしましょう。
幼児教育の通信教材も、
と、それぞれ子供を惹き付ける工夫がされていますよ。
どれも月額1000〜2500円くらいと安価なので、ぜひお子さんが楽しく学習習慣を付けられる教材を探してみてくださいね♪
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