早生まれの子育て

早生まれは園生活についていけない!? 保育園・幼稚園の正しい選び方

早生まれの保育園・幼稚園

早生まれのお子さんを持つママ・パパ。

生まれてまだ首も座らない頃に、もうよちよち歩きをしている春生まれの子供を見て、

「まさか同級生なの!?」

とびっくりした経験があるのではないでしょうか。

我が家の長男も3月末生まれ。

赤ちゃんのうちは、月齢の差はとても大きいものですよね。

では、

その差はいつ縮まるのでしょうか?
早生まれの子供が保育園や幼稚園を選ぶときに、気を付けることはあるのでしょうか?

モンテッソーリ教育とチャイルドコーチングの指導者の筆者が、子供の発育や児童心理の面から、詳しく解説していきます。

 

早生まれは何歳で追いつけるの?

小学校入学までに、生まれ月の差はなくなるって本当?!

早生まれの園での発達の違い

早生まれの子供とそうでない子供の差は、いつ縮まるのでしょうか?

「3歳で対等に遊べるようになる」
「年長でほぼ生まれ月の差はなくなる」

といろいろな話を聞きますよね。

ですが結論から言うと、小学校入学までに生まれ月の差がある程度は縮まるけれど、無くなることはありません

子供を数ヶ月前と比べてみると、できること・話せること・覚えていることなどが全然違いますよね。

幼児期の子供の成長は凄まじいので、生まれてからたった6~7歳までの間に、1年間の成長の差が縮まるわけはないのです。

もちろん個人差があり、早生まれでも体が大きい子もいれば、4月生まれで小さい子もいるし、読み書き計算の能力なども逆転することはあります。

でも平均すると、体格・勉強・身体機能の面で、小学校入学時でも早生まれの子供が遅れていることは確か。

そして、残念ながらそのことを理解していらっしゃらない幼稚園の先生や保育士さんがたくさんいます

ですので、親がしっかりと子供の様子を見て、相性のいい園を選んだり、先生たちとこまめに保育方法を擦り合わせていく必要がありますよ。

 

早生まれの子の幼児期の特徴は、次の通り。

個人差があるので、参考程度に見てくださいね。

※ 0~2歳の発育の違い(離乳・おむつ外れなど)は、保育園でも必ず考慮して保育されるので、省きます。

年少の早生まれ

  • 体が小さい・運動能力が未発達
    …特に年少前半は、赤ちゃん感が抜けない。
  • トイレを失敗する
    …まだトイレの間隔が短く、漏らしてしまうことも。
  • 着替えが遅い
    …着替えそのもの(ボタンや前後の確認)だけでなく、着替えを理解して始めるまでも時間がかかる。
  • 日中眠くなる
    …お昼寝や帰宅時間までもたず、ウトウトしてしまうことがある。
  • 言葉が遅い
    …先生や友達に自分の気持ちをうまく伝えられない。
  • 先生の指示がわからない
    …先生は9月生まれくらいの子に合わせて話すので、早生まれの子はまだ細かく理解できないことがある。
  • 遊びのルールが理解できない
    …じゃんけん・鬼ごっこ・カードゲーム・おままごとなど、遊びのルールを理解できないことがある。
  • 友達と一緒に遊ばない
    …まだ1人遊びの時間が長く、グループ遊びに入れない(入らない)ことが多い。

年中の早生まれ

  • 体格や運動能力に差がある
    …年中になると、自分と友達との差に気付く。
  • トイレの失敗がある
    …膀胱の筋肉がまだ弱く、皆と同じリズムで園生活を送っていると漏らしてしまうことも。
  • 話がうまくできない
    …周りの子達が先生に状況説明したり、子供同士で交渉している中、早生まれの子はまだできないことが多い。
  • 頭の切り替えに時間がかかる
    …年中になると先の見通しを立てて行動することが求められるが、早生まれの子はまだ目先の事に気がいって遅れてしまうことがある。

年長の早生まれ

  • 行動が遅い
    …片づけ・給食の配膳・当番活動など、集団生活のルールを理解して行動するまでに時間がかかる。
  • じっと座って話を聞けない
    …座って話を聞く時間が増えるが、早生まれの子はまだできないことがある。
  • クラス目標が達成できない
    …逆上がり・運動会の競技・お遊戯・合奏など、平均して早生まれの子は達成が遅い。

このように、年長になるにつれて差は縮まりますが、完全には無くなりません。

また年齢が上がるほど、自分で差に気がついて劣等感を持ってしまうこともあります。

ベネッセ こどもちゃれんじ[ベネッセ]

 

 

何歳で早生まれの差がなくなるの?

では、生まれ月の差はいつなくなるのでしょうか?

一般的には次のように言われています。

早生まれの差がなくなる時期

  • 体格・運動面 …小学校高学年
  • 勉強面    …高校でもなくならない

体格や体の機能は、小学校高学年ぐらいにほとんど差がなくなります

実際に子供たちを見ると、小学校低学年までは誕生日を見なくても「あ、この子は早生まれだな」と何となくわかるけれど、高学年になると段々とフラットになってわからなくなりますよ。

ただし勉強については、残念ながら高校でもまだ生まれ月の差があるという研究があります。

外部リンク一橋大学研究『誕生日と学業成績・最終学歴』川口大司氏・森啓明氏

 

こう見ると、早生まれの子供を持つ親御さんは、何だか落ち込んでしまいますよね。私もそうでした。

もちろん厳しくしつけて、小学校入学までに『形』だけ皆と同じようにできるようにすることはできます。

でもそれでは、一番大切な『自己肯定感』を潰してしまいかねません。

実は、このようなマイナスのデータがある中で、逆にとびぬけて勉強ができたり、スポーツや文化面で優れた功績を残しているのは、早生まれが多いという事実もあるんですよ。


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このように早生まれの不利を覆して、のびのびと能力を発揮するには、どうすればよいのでしょうか?

それには、人と比べず、劣等感を持たず、マイペースにコツコツと成長できる環境を整えることが大切。

幼児期から『自己肯定感』を高める習慣を付けておくことが、早生まれの子育てにはとても有効ですよ。

そのために親御さんができることは、こちらの記事をぜひお読みください。

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そして、親の心がけ以外にも、幼児期に一日の大半を過ごす『幼稚園・保育園の選び方』もまた、早生まれの子供にはとても大事です。

入園後も、先生や保育士さん達の協力が必要ですよ。

ここでは、保育園・幼稚園の選び方、入園後の注意点などについてみていきましょう。

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早生まれの子供に合う保育園・幼稚園とは?

早生まれの子供が、劣等感を持ったり委縮したりすることなく、のびのびと成長できる『保育園や幼稚園を選ぶポイント』は、次の通り。

早生まれの子供の幼稚園・保育園の選び方

〇 おすすめ

  • 小規模園
  • 自由保育型(個々の自由を認める)
  • 叱るより褒める園
  • 縦割り活動が多い園
  • 「早生まれの差はなくならない」と理解している園

× おすすめしない

  • 大規模園
  • 管理保育型(集団の規律を重視する)
  • しつけが厳しい園
  • 運動会などでの団体行動が素晴らしすぎる園
  • 「早生まれの差はなくなるので心配ない」という園

「甘過ぎない?これだと小学校に上がってから苦労するのでは?」

と思われるかもしれませんね。

早生まれだからこそ、園でルールやマナーをしっかり身につけて、小学校入学までに皆と同じ行動ができるようになってほしい思うかもしれません。

でも、早生まれの子供の場合、まだ幼い好奇心を無理に押さえつけて規律ある団体行動を強要すると、逆効果になってしまうことが多いですよ。

順番にみていきましょう。

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早生まれの子供には大規模園?それとも小規模園?

早生まれの子供には大規模園か小規模園か

まずは、大規模園と小規模園での早生まれの子供たちの様子をみていきましょう。

大規模保育園・幼稚園は早生まれの子にをおすすめしない理由

1クラスの園児が多い大規模園は、気の合う友達が見つかりやすい、小学校でも同じ園からの友達が多い、というメリットがあります。

その反面、早生まれの子供がついていけない遊びが流行ったり、グループに入れなかったり、周りの子と比べて「どうして自分はできないんだろう?」と劣等感を持つ機会が多くなります。

大人数に揉まれて学ぶこともあるし、早生まれでも負けん気の強い子なら潰れずに伸びていく可能性もあるけれど、やはり人格の形成される大切な幼児期に、『劣等感・コンプレックス』を持ってしまうリスクは、できれば避けたほうがいいでしょう。

 

また大規模園では、先生や保育士さんも、どうしても一人一人まで目が行き届きません。

たとえば保育園だと、国で定めた保育士の配置基準は以下の通りです。(2022年現在)

保育士の配置基準(およそ)
0歳 3人に1人
1・2歳 6人に1人
3歳 20人に1人
4・5歳 30人に1人

児童福祉法第45条規定「児童福祉施設最低基準」より

ということは、年中・年長になると、1クラス10人の小規模園も、30人の大規模園も、担任保育士は同じ『1名』ということになります。
(自治体により異なり、担任以外に保育補助スタッフが入ることもあります。)

そして、大規模園の年中・年長クラスでは、先生は往々にしてクラス全体をまとめて『ある程度の形に仕上げる』ことを優先します。

大人数の子供たちに団体行動をとらせる中で、早生まれの子の失敗・できないこと・たどたどしさなどを、あまりよく思わず、頻繁に叱ってしまう先生がいることも、残念ながら事実。

ですので、早生まれの子供は、できれば大規模な保育園・幼稚園は避けたほうがよいでしょう。

ただし、大規模園の中でも、縦割り活動(年少~年長まで混ざったグループで過ごす)の多い園なら、早生まれの子供にも向いていますよ。

縦割りだと、同級生と自分を比べることが少なく、下の子の面倒を見ることで自信がつくメリットがあります。

 

早生まれの子には、小規模保育園・幼稚園がおすすめ

一方で、小規模の保育園・幼稚園では、一人一人の子供を比較的きめ細かく、手厚く見てくれます。

それぞれの発達度合いや性格をみて、『クラスの成長』よりも『個人の成長』を大切にしてくれる園が多いですね。

先生方も、気持ちに余裕を持ってゆったりと接してくれますよ。

その反面、もし先生と相性が悪かったりクラスになじめない友達がいたときに、逃げ場がない、というデメリットもあります。

 

このように、大規模園も小規模園も、それぞれメリット・デメリットがあるけれど、早生まれの子供がのびのびと過ごすには、どちらかというと小規模園のほうが安心

「小規模な園だと、小学校に上がってから急に大人数の中に入るので大変」

と心配になるかもしれませんが、いまは小規模園が増えて、そういう子がたくさんいるので大丈夫ですよ。

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早生まれの子には『管理保育型』?それとも『自由保育型』?

早生まれの子供には管理保育か自由保育か

次に保育園や幼稚園の方針をみてみましょう。
園の教育・保育方針には、大きく分けて、

  • 管理保育型
    …集団の規律を重視し、しつけが厳しい園
  • 自由保育型
    …個々の自由を認め、叱るより褒める園

の2種類があります。

 

早生まれに『管理保育型』の園をおすすめしない理由

管理保育型の保育園・幼稚園

管理保育型の保育園・幼稚園とは?

『管理保育型』の幼稚園・保育園では、団体行動がきちんとできることを良しとし、和を乱す子は、皆と同じようにできるように正していきます。

子供たちは、先生に言われたことをきちんと守り、長時間静かに椅子に座れるようになり、小学校に上がる時点でいわゆる「とてもよくしつけられた良い子たち」に。

その園が管理保育型かどうかがわかるのは、運動会や生活発表会などですね。

  • 運動会でピシッと並んで行進ができる
  • 待っている間にダラダラする子がいない
  • 合奏・合唱・劇などが完璧

そのような園は、普段から『管理型』の保育をしていると言えますよ。

また管理型の園は、勉強・体操・楽器演奏などのカリキュラムが日々組まれていることが多く、習い事に行かなくてもある程度のことはまかなえる、というメリットもあります。

 

どうして早生まれには管理保育型の園はよくないの?

決して、そういった管理教育が良くないと言うわけではありません。

でも、管理型の園では先生はどうしても褒めるよりも叱ることの方が多くなってしまいます。

先生はできる子に合わせて指導する傾向にあり、

「今年の〇〇組は優秀!」

と他の先生や保護者たちに言われるようにクラスを作っていきます。

ですので、早生まれの子供は失敗・遅い・できない・わからないことを、先生から注意される回数がどうしても多くなってしまいます。

まだできないことも、

「形だけでも皆と同じようにできるように」

と訓練されていくケースが多いですね。

また先生も、自分たちも管理されている中で、理路整然と言い返してくる春生まれの子よりも、言い返せない早生まれの子供のほうが叱りやすい、という心理も残念ながらあります。

そうすると、叱られ続ける子供は心を折られ、「自分は皆よりできない」と劣等感を持ったり、幼児期に一番大切な『自己肯定感』『毎日の生活や遊びを楽しむ心』が育たなくなる恐れがあります。

 

さらに管理保育型の園では、子供たちの間でも『個』の競争を意識し、早生まれなど発達の遅い子に「できない子」とレッテルを貼ってしまうことも。

トイレに間に合わなくて漏らしたり、運動や楽器などができない子を先生が厳しく指導しているのを見て、子供たちもその子を見下して心無い言葉を投げかけることもあります。

(優しい子ももちろんいるけれど、たとえ幼児でも子供のヒエラルキーは残酷なことがあります。)

ですので、早生まれでも体が大きい、テキパキ行動できて言葉も早い、という場合以外は、管理型の保育園・幼稚園はあまりおすすめしません。

 

早生まれの子がのびのび成長できる『自由保育型』の園

早生まれの子には自由保育型

自由保育型の保育園・幼稚園とは?

一方で『自由保育型』の保育園・幼稚園では、団体行動の規律よりも、子供一人一人の成長を重視

それぞれのペースや性格を尊重して、その子なりの学びや成長を大切にしてくれます。

管理保育型の園と違い、自由時間も多く、自分の好きな遊びを見つけて没頭することができます

一人遊びが好きな子
友達と遊ぶのが好きな子
お絵かきやままごとが好きな子
戦いごっこが好きな子…

どれも無理強いすることなく意志を尊重してくれるので、『自我』をしっかり確立させていくことができます。

 

また、自由保育型の園では、先生も比較的優しく寛容な方が多い傾向にありますよ。

管理型の園のように「クラスをまとめて、他の先生や保護者にアピールする」必要がなく、本来の保育に専念できるからなのでしょうね。

自由型の園の運動会や生活発表会は、一見まとまりがなくてバラバラな印象があるかもしれません。

でも「子供一人一人の成長を見る会」という意味では、本来はそれで充分。

逆に自由保育型の保育園・幼稚園のデメリットは、勉強や体操などのカリキュラムが少ないこと。

何かを習得したかったら、別に習い事などをする必要があります。

また、小学校に入った時に、管理保育型の園から来た子供たちの規律正しさにびっくりするかもしれません。
(後で書きますが、それは大したデメリットにはなりません。)

 

早生まれの子に自由保育型の園がおすすめの理由は?

自由保育型の幼稚園・保育園では、早生まれの子供も劣等感を持たずにのびのびと過ごすことができます

自由時間が多いので、人と比べるのではなく、『自分のやりたいこと』をゆっくり見つけたり、『自分ができるようになったこと』を素直に喜ぶことができます。

先生も、その子自身のペースや成長を認める余裕があるので、早生まれの子にも怒ることが少なく愛情を注いでくれる傾向に。

特に、ただでさえ自分が皆よりできないことに気付いている早生まれの子にとっては、

  • 自分を認めてくれる環境
  • ほめてくれる先生

というのは、自己肯定感を育てる上でとても大切ですよ。

また自由保育型の園では、子供たちの『個』の競争意識も少なく、「できる子」「できない子」という目でお互いを見ません。

「あの子はブロック遊びが好きな子」
「あの子は一人で遊びたいんだな」
「あの子は鉄棒が得意」

と、優劣ではなく『個性』としてお互いを認め合うことができ、その中で気の合う友達を見つけることができます。

 

 

『管理型の園』『自由型の園』、小学校入学後に影響はある?

管理型と保育型の小学校への影響

自由保育型の園を選ぶにあたって一番心配なのが、

「自由な環境に慣れると、小学校に上がってから苦労するのでは?」

ということではないでしょうか?

その気持ちもよくわかります。

たしかに、実際に小学校の様子を見ると、管理保育型の園に通っていた子供たちは、1年生からきちんと先生の言うことを聞き、長時間座ることもできます。

また、勉強面でもアドバンテージがあることが多いです。(幼稚園によっては九九まで習得してくる園もあります。)

でもそのアドバンテージはせいぜい2年生くらいまで

自由保育型の園で育ってきた子供たちも、1年生の後半には規律も理解し、授業も45分間座って聞けるようになりますよ。

勉強も2年生くらいには差がなくなり、さらに4年生になって文章問題が増えてくると、『考える力』もとい『考えることを楽しむ力』が必要になり、単純な先取り学習のアドバンテージはほぼ無くなります。

また、運動に関しても、小学5年生の運動能力は、幼児期に体操を習っていた子よりも、自由遊びをたくさんしていた子の方が高くなる、というデータも。

ですので、必ずしも「管理保育型の幼稚園・保育園に入れたほうが、将来もメリットが多い」ということはありません。

個人的な感想を言うと、

管理型の園出身の子の傾向

  • 決められたこと・言われたことがきちんとできる
  • 負けん気の強い子は、規律の中で伸びていく
  • 国語や算数の基礎はよくできる
  • できないことには手を付けたがらない
  • 自分にも厳しいが、他の子にも厳しい

自由型の園出身の子の傾向

  • 規則より自分の気持ちを優先することがある
  • 周りの評価を気にせずマイペースに物事に取り組む
  • 好奇心旺盛で、好きな事を見つけると打ち込んでぐんぐん伸びる子が多い
  • じっくり考える勉強が得意な子が多い
  • 友達に優しい

もちろん「全員が必ずこうなる」ということではありません。

ただ早生まれの子供はただでさえ劣等感を持ちやすく、自己肯定感が育ちにくいので、幼児期に園や家庭であまり厳しくしつけすぎないことをおすすめしますよ。

形だけとりあえず仕上げる『目先の成長』よりも、長い目で見た『人格形成・能力の開花』を重視して、幼児期には自由にのびのびと育てることをおすすめします。

ただし、勉強だけはどうしても早生まれの子は遅れがちで、コンプレックスの種になってしまうので、小学校入学前に学習習慣だけはつけておいたほうがいいです。(むやみな先取り教育は必要ありません)

幼児のうちに『学習習慣』『勉強=楽しい!』という意識だけ身に付けておけば、あとは自分の力でグングン伸びていきますよ。


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我が家も通信教材にかなり助けられました。

先取りの知識教育よりも、自分で楽しく考える力をつける教材のほうが、後々学力が伸びるのでおすすめです。

 

見学時に確認しよう!早生まれをどう考えている園?

早生まれの保育園・幼稚園の注意点

次に、入園前に保育園や幼稚園を見学する際のポイントをみてみましょう。

見学の際にはまず、1クラスの人数、管理保育型か自由保育型かをチェックしましょう。

子供達が、萎縮せずに笑顔でのびのび過ごしていて、叱られ過ぎていないことが大切。

また、職員の働く環境が良く、先生たち自身が楽しそうに保育をしているかも重要なポイントですよ。

それと同時に、ぜひ園長先生に

「早生まれについてどう考えているか?」

と聞いてみてください。

「年中・年長になれば、生まれ月に関係なく皆同じようになるので大丈夫ですよ。」

と答える園は、あまりおすすめしません。

大人がざっくり見れば同じに見えるかもしれないけれど、一人一人の行動や内面をきちんと見れば、そう簡単には追いつかないことがよくわかります。

ですので、逆に

「早生まれの子は差があるので、一人一人に合わせて卒園まできちんと見ていきますよ。」

という園のほうがずっと安心ですよ。

早生まれの子は、入園後も先生や保育士さんと連携をとろう

無事に良い保育園や幼稚園を見つけて入園した後も、安心しきってはいけません。

こまめに子供の様子や先生の子供への接し方を見たり、言葉が話せるようになったら子供からも話をよく聞くようにしましょう。

「そこまでするの?過保護では?」

と思うかもしれませんが、小学校に入るまでは、早生まれの子供にはひと手間余分にかけるつもりでいたほうが安心。

「幼稚園教諭や保育士さんはプロだから」

と思いがちだけど、保育のプロでも、発達の違いをよく分かっていない先生も多いので、完全に任せきりにするのは危険です。

 

ちなみに我が家も、3月末生まれの息子がのびのび系の明るい保育園に入園。ただし大規模園でした。

2歳児クラスまではよかったのですが、年少で担任が変わってから、実は日々トイレの失敗や着替えの遅れを強く怒られていたことを、なんと年中の終わりになって知りました。

保育園が大好きだった息子が年中の冬に突然「行きたくない」と言い出し、よくよく話を聞くと、

「年少からずっと、〇〇先生に僕ばかり怒られて、『皆できるのにどうしてできないの?』『小さい子のクラスに戻る?』といつも言われる。」

と。

それを見ていた他の子供たちも、だんだん酷い言葉を言うようになってきたそうです。

子供は、それが当たり前だと思っていたのか、親が悲しむと思ったのか、ずっと言えなかったんですね。

その後先生と話し合い、対応を改善してもらい楽しく通えるようになりましたが、その先生は他の早生まれの子にも強めに当たっていたことがわかりました。

親として見抜けなかったこと、先生と『保育方針』について事前に話し合っていなかったことを、すごく後悔しました。

ですので、入園時だけでなく、進級時に担任が変わった時にも要注意ですよ。

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早生まれの子が幼稚園・保育園に通う際に、親ができることは?

また、先生や保育士さんだけではなく、親御さんも心がけるとよいことがあります。

早生まれの親御さんの心がけのおすすめ

  • 幼稚園・保育園に毎日通えればそれだけでOKと思おう
  • たくさん褒めよう(外では褒められること=成功体験が少ない為)
  • できないことは、家でも練習してみよう
  • 親が不安そうな顔をしないようにしよう

このような心がけ一つで、子供の心が救われることも。

決して、親のほうが同級生と比べて焦って「どうしてできないの!?」と叱ることのないようにしましょう。

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まとめ ~早生まれの子供はせかさず、型にはめず、長い目でのびのび育てよう!

早生まれの保育園幼稚園の選び方

生まれ月による発達の差は仕方がないこと。

もちろん、厳しく訓練をして『形だけ』皆と同じようにできるようにすることはできます。

でも一番怖いのは、幼児期の素晴らしい『好奇心』を押さえつけ、今後成長していく上で大切な『自己肯定感』を潰してしまうことです。

早生まれの子供に必要な保育・教育環境は、

  • 自分を認めてくれる環境
  • 自尊心を傷つけない先生
  • 集団教育より個々の成長をきちんと見てくれる園

です。

「早生まれなのにきちんとできてすごいね。」
そんなふうに褒められる『型通りの良い子』をめざして厳しい環境に置くことは避けましょう。

先生や周りの大人たちの協力を得ながら、のびのびと愛情をたっぷり注いで育てていきたいですね!

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