英語

幼児の英語教育は必要? 弊害があるって本当?

幼児の英語教育

「小学校に入る前から英語の学習を始めたほうがいいの?それともまだ早過ぎる?」
と迷っていらっしゃる親御さん、多いのではないでしょうか?

ネットで検索しても、

「幼児のうちから、英語の音に慣れておいたほうがいい」
「まだ日本語をしっかり習得していないうちに英語を学習すると、弊害がある」

と賛否両論がありますよね。

結論から言うと、私は

小学校に入る前に、ある程度は英語に触れておいたほうがいい

と考えています。

チャイルドコーチングマイスターで幼児・小学生の教育に携わる筆者が、その理由をわかりやすく解説していきます。

 

幼児期に英語を勉強しないのは日本だけ!

幼児からの英語学習

実は、

英語はいつから勉強するのがいいのか?

と、これほどまでに慎重に議論されている国は、日本くらいなのです。

英語を母国語としないヨーロッパやアジアの先進国では、ほとんどの国で小学校に上がる前から『英語をある程度習得するのか当たり前』となっています。

北ヨーロッパの国々などでは、自国の言語と英語に加え、幼稚園から第2・第3外国語までも学びます。

お隣の韓国や中国でも、今では幼児期から英語を習うのが一般的になっています。

小学校に上がると本格的な英語学習が始まり、文法などの机上の勉強だけでなく、プレゼンなどの表現力も徹底的に磨いていくそうですよ。

TOEICの平均点も、日本は世界中の国々に大きく水をあけられています。
(TOEICとは、英語が母国語ではない国の人が、英語の能力を図るための世界共通テストです。)

2018年の日本の平均点は520点で、これはTOEIC運営団体が発表している年間500人以上受験者がいる49か国中、なんと44番目!

日本より平均点が低い国は、マカオ・モンゴル・タイ・アルバニア・インドネシアの5ヵ国だけなのです。

外部リンクTOEIC 公式サイト 国別平均点

日本はもはや、「英語を勉強するべきか?」と議論している場合ではありませんよね。

 

確かに今後は、AIの発達によって、通訳や翻訳が機械で簡単に正確にできるようになると言われています。

でも、欧米の人がアジア人とビジネスをする際、目を見て直接英語で詳しい話ができる中国・韓国の人と、片言の英語だったり機械を通して話をする日本人、どちらをより信頼して契約をしたいと思うでしょうか?

言葉は、意味だけではなく、「相手を思う気持ち・尊敬の念・強い決意・自信・残念な気持ち」など、たくさんのニュアンスを伝えます。
それが『コミュニケーション』なのです。

「英語ができなくても大丈夫」
「話せなくてもしょうがない」

というのは、もう通用しない世の中になってくるでしょう。

 

幼児期に英語を始めると弊害がある!?

でも、

「あまり早い時期に英語を学ぶと、弊害になる」

という説も根強くあり、心配になってしまいますよね。

幼児期の英語学習は、本当に弊害があるのでしょうか?

 

幼児英語学習の弊害説 その1
「日本語がきちんと習得できなくなる」

幼児の英語教育の弊害

まず言われるのが、

「日本語をきちんと覚える前に英語を教えてしまうと、日本語が習得できなくなる」

という説です。

しかし、1日に30分~1時間くらい英語に触れる程度で、日本語の習得に弊害が出ることは、まずありません

確かにインターナショナルスクールの幼稚園に通うお子さんなどの場合は、日中はすべて英語で生活しているので、日本語を話すのが遅くなるというケースはあります。

それでも、家で親御さんが日本語で会話しているのなら、小学校入学までには日本語もきちんと習得することができます。

普通の幼稚園や保育園に通っているなら、なおさら何も問題はありません。

現に、幼稚園から英語を習う海外の子供たちは、母国語もきちんと習得しています。

赤ちゃんや子供の脳の吸収能力は、大人とは全く違います。

日常は日本語を話して生活し、少しづつ英語にも触れていく、それぐらいは子供にとって何でもないことなのです。

 

幼児英語学習の弊害説 その2
「日本人としてのアイデンティティが育たなくなる」

幼児の英語学習の弊害

もうひとつの弊害として、幼少期にバイリンガルになると

「自分のアイデンティティがわからなくなる」

という話も聞いたことがあるのではないでしょうか?

日本人としてのアイデンティティがなくなるというのは、簡単に言えば、

  • 日本の文化や習慣が理解できなくなる
  • 外国的なものの考え方をするようになる

といったことです。

でもそれは、1日のほとんどを英語環境で過ごしていたり、親も英語で会話をしていたり、日本と海外を行ったり来たりしているような場合だけです。

家や幼稚園・保育園で、大半の時間を日本人と日本語で会話をして過ごしているなら、そのような心配はまったくいりませんので、安心して大丈夫ですよ。

逆に、もし週に数時間の学習でアイデンティティを失うほど英語が身につくのなら、むしろそうなってみたいものです。

海外を見てみても、小さい頃から数か国語を習うヨーロッパの国々の人は、アイデンティティを失うどころか、自分の国にとても誇りを持っていますよね。
自分の国や地域の素晴らしさを誇らしげに話す姿を、テレビなどでも見たことがあるのではないでしょうか。

日本人でも、海外で生活したり外国人と仕事をしたりすると、日本と海外との違いを強く感じて、

「逆に日本人としてのアイデンティティが強くなった」

という声もよく聞きます。

ですので、幼児教育の範囲内での『英語学習』によって、日本人のアイデンティティが育たなくなるということは、まずありません。

 

何事でも、現状を変えようとしたり新しいものを取り入れようとすると、必ず反対する意見や否定的な説が出てくるものです。

幼児の英語学習に関しても、少し勉強しただけでバイリンガルになるほど英語を身につけられるわけはないのですが、バイリンガルになることを想定して「弊害がある」と極端な意見を述べる方もいます。

偏った意見に惑わされないように、情報の選択をしていくことが大切です。

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何歳から英語を始めればいい? 気になる言語の『臨界期』

英語教育はいつから

英語はできれば3~12歳くらいには始めたい

では、いったい何歳くらいから英語を学習し始めればよいのでしょうか?

結論から言うと、

「理想は3歳、遅くても12歳までには始めたい。早ければ早いほど、あとがラクになる」

といったところです。

かといって、いわゆる高度な『早期教育』をしなければならないというわけではありませんよ。

生活の中で言葉や数を自然に教えているのと同じように、英語に触れる機会を作っていけばいいだけです。

言葉や数も、幼児期から『漢字』や『九九』を教えるのは早期教育と言えますが、絵本の読み聞かせをしたり、「2個と2個を合わせると4個だよ」という程度のことは、日常の子育ての中で教えますよね。

英語もその程度でいいので、幼児期から触れさせていくのが理想です。

 

言語の『臨界期』を逃さないようにしよう

臨界期』という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

臨界期とは、

「ある能力を獲得するためには、適した期間がある」

という脳科学の考え方です。

それは一生に一度しかなく、その期間に適切な刺激を与えることが大切だと言われています。

たとえば、生まれたばかりの子猫に2週間目を閉じさせておくと、その子猫は視力を失ってしまうそうです。

それは、猫の『視覚の臨界期』である生後すぐに、十分な刺激を与えられなかったために起こることです。

また、『音楽の臨界期』は7歳まで、中でも絶対音感の臨界期は4~5歳くらいまでと言われています。

それまでに訓練すれば90%以上の子供が絶対音感を得られますが、6歳を過ぎた子供にどれだけたくさんの訓練をしても、絶対音感がつく可能性はほぼ0%に近いということがわかっています。

そして、言葉の習得にも『言語の臨界期』があります。

言語の臨界期は、

言語の臨界期の諸説

  • 脳の80%ができあがる3歳まで
  • 脳の90%ができあがる6歳まで
  • 脳の100%ができあがる12歳まで

と、さまざまな説があります。

年齢は説によって開きはありますが、まとめて言えば、

「3歳までに始めるのが一番望ましいけれど、遅くとも12歳までなら、ネイティブに近い英語力を身につけることが可能ですよ」

ということです。

実際にアメリカで、10歳くらいのノンネイティブの子供達に、英語の専門的な教育をしたところ、ほとんどの子供がネイティブと変わらない英語力を身につけられたそうです。

そして中でも、幼少期から学んでいた子供はより能力が高かった、という研究結果があります。

ネイティブに近い英語力とはどういうことかというと、

ネイティブに近い英語力とは?

  • 発音の聞き分けが正確にできる(lとrの違い・子音で終わる単語など)・英語の周波数帯を聞き取れる『英語耳』
  • 脳内で訳さず、英語で話すときは英語で考えてそのまま理解することができる『英語脳』

この『英語耳』と『英語脳』を持つということです。

もちろん、

「別にネイティブに近いくらい話せる必要はないし…」

という方も多いと思いますが、要は、

「『英語耳』と『英語脳』が多少でも身についていたほうが、のちの英語の勉強が格段にラクになる」

ということなのです。

参考文献:
『ほんとうに頭がよくなる 世界最高子ども英語』斎藤淳 著(ダイヤモンド社)
『ママ、ひとりでするのを手伝ってね!』相良敦子 著(講談社)

『子どもの脳の発達 臨界期・敏感期―早期教育で知能は大きく伸びるのか?』榊原 洋一著(講談社+α新書)

 

 

高校・大学受験のときに英語を始めるのでは遅い?大人になってからは?

英語教育はいつから必要か

高校・大学受験のとき、仕事で海外赴任をするなど、誰しも英語を一生懸命に勉強しなければならないときが出てきますよね。

「そのときに頑張ればいいのでは?」

「自分も大人になってから努力して話せるようになったから、子供も大きくなってから自力で頑張ってほしい」

という親御さんもきっといらっしゃいますよね。

もちろん、幼少期の言語の臨界期を逃してしまっても、英語を習得することはできます。

でもそれには、たくさんの時間と労力と気力が必要なのです。

実は私もその一人で、仕事柄TOEICの高得点も維持しなければならないし、日々英語の勉強は欠かしていませんが、やはりここまでくるのに相当の時間と労力と気力が必要でした。

そして悲しいことに、少しサボるとすぐに話せなくなってしまいます(笑)

要するに、本当の意味での『英語脳』と『英語耳』は身についていないということです。

一方、3歳から始めたピアノで身につけた絶対音感は、いまだに衰えていません。

今は毎日ピアノを練習しているわけではありませんが、聴いた曲をすぐに弾く、右手と左手を同時に違う音とリズムで弾く、指くぐり、楽譜を見て鍵盤を見ずに弾くことなどは、何年ブランクがあってもできなくなることはないのです。
(これらは手の技術ではなく、脳がつかさどっているそうです。)

やはりどの分野でも、幼少期の臨界期を逃さないことが大切なのです。

 

小学校の英語の授業の現状は?

幼児から英語教育が必要か

では、日本の小学校での英語の授業の現状は、どうなのでしょうか?

小学校では『英語の知識が0』というのを前提に、丁寧に教えていきます。

ですので、まったく英語をやってこなかったとしても、授業についていけなくなる心配はありません。

でもやはり、英語に少しでも慣れている子とまったく触れてこなかった子とでは、「英語を楽しむ気持ち」や「英語に対する自信」が全然違います。

一番違うのは、英語を声に出すことや、歌ったりリズムをとったりすることへの抵抗、恥ずかしさでしょう。

歌やリズムというのは、英語を学ぶ手段でもありますが、アメリカなどの英語圏の文化でもあります。

言葉を学ぶということは、その国の文化を感じることでもあるのです。

幼児期に、恥ずかしいと思う前に、英語を通して外国文化に触れてきた子供は、歌うこと、声を出してリズミカルに話すことなどに抵抗がありません。

しかし、『日本』にしか触れてこなかった子供は、そういった英語文化そのものに苦手意識を持ってしまう傾向があるようです。

(中高生になると「かっこいい」と憧れを感じるアメリカ文化も、小学生(特に中高学年)だと「苦手だ・避けたい」と恥ずかしさが先に出る子供が多いようです。)

もちろん、アメリカなどの英語圏の文化が何でもかんでも良い、というわけではありませんよ。

でも、良いところを上手く取り入れて楽しんでいければいいですよね。

 

また、これは教師側の問題でもあるのですが、日本人はどうしても「人の良いところを認める」よりも「間違いを指摘する」気持ちが強いところがありますよね。

ですので、英語を声に出したとき、「間違えると先生に正される・他の子に笑われる」というのを恐れて、消極的になってしまうことがあります。

また、教師が日本語の発音で英語を話している場合、生徒が『正しい英語の発音にチャレンジするのをためらってしまう』というのもとてもよくあることです。

でもそんなときでも、幼少期から英語学んできた子供は、比較的臆することなく発言をしていく子が多いように見受けられますよ。

せっかく日本でも小学校から英語教育が始まっていても、諸外国の授業のレベルに追いつくにはまだまだ壁がありそうです。

学校任せにはせず、幼児期から少しずつ家庭でも英語に触れさせていくことをおすすめしますよ

 

まとめ ~幼児期から英語の学習は必要?

幼児から英語を学ぶ

高校受験・大学受験では、どんな学部を選んでもほぼ英語の試験がありますよね。

そしておそらく近い将来、中学受験にも英語が入ってくるでしょう。

それなのに、国語(文字)や算数(数)は幼児期から教えるのに、「英語はまだ早い」と壁を作ってしまうのはもったいないことです。

先ほども触れましたが、決して『早期教育』的なガッツリした学習をする必要はありませんよ。

音やリズムに慣れ親しんで、少しでも『英語耳』や『英語脳』を養っておくことをおすすめします

 

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