子供の能力を伸ばそう

うちの子供は落ち着きがないけど大丈夫?優位感覚のお話

落ち着きがない子供は大丈夫?

「うちの子は、他の子より落ち着きがない気がするけど大丈夫かな?」
「お勉強していても、すぐに立ってウロウロしたりして集中できないみたい…」

そんなお悩みを抱えている親御さん、多いのではないでしょうか?

このままだと、将来勉強や仕事ができない子になるのでは?
何とか長時間座れるようにしなくては…

と思い、

「じっと座って集中しなさい!」

と、つい声を荒げてしまうこともありますよね。

また、ADHD(注意欠陥・多動性障害)を疑うこともあるかと思います。

でも、

体を動かしながら記憶する
じっと座って考えるより動いていたほうが頭が働く

というタイプの子がいることをご存じでしょうか?

実は子供だけでなく大人でも、集中しなければいけない時ほど席を立ってウロウロしながら考える人がいます。(うちの主人もそうです^^;)

それは、『体感優位タイプ』という認知特性。

優位タイプとは、NLP(神経言語プログラミング)で使われる『優位感覚』のタイプ分けのことで、VAKモデル、VADADモデルなどがあります。

優位タイプには、

  • 『視覚』優位タイプ
  • 『聴覚』優位タイプ
  • 『言語感覚』優位タイプ
  • 『体感』優位タイプ

の4つがあり(※)、「物事を理解したり記憶したりするときに、どの感覚が優先的に働くか」という傾向で分けられています。

(※ 言語感覚優位を除いて3タイプに分ける考え方もあります)

手足に利き手や利き足があるように、『五感』にも人によって偏りがあり、それによって性格や効率的な学習方法などが違ってくるのです。

4つのタイプの中でも『体感』優位タイプは、「落ち着きがない・集中力がない」、さらには「適当にやっている・サボっている」と誤解されがちなタイプ。

子供に落ち着きがないからと言って、一概に注意力が散漫というわけではなく、本当は集中して頭を働かせているのにそうは見えない『体感優位タイプ』の可能性もありますよ。

 

では、それぞれの優位タイプの特徴について、チャイルドコーチングとモンテッソーリ教育のトレーナーで1児の母でもある筆者が、詳しく解説していきます。

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『体感』優位タイプの子供は、動きながら記憶する

落ち着きがない子供は体感優位

まずは、「落ち着きがない」と思われてしまう『体感』優位タイプから。

体感優位タイプの子供は、体を動かしながら物事を理解し、自分のものにしていきます

学習中に体のどこかを動かしたり歩き回ったりすることが多く、「落ち着きがない・集中力がない」と思われがちだけど、実はしっかり頭は働いています。

逆に「じっと座って勉強しなさい」と強要されると、頭が働かず学習が進まないことも。

説明書を読んだり、細かい説明を聞いたりするのが苦手で、実際に動いてやってみることで理解したり記憶したり新しいアイディアを思いついたりします。

適当だと思われてしまうこともあるけれど、理屈ではなく直感的に動けたり、面白いアイディアなどが出てくることが多いのもこの体感優位タイプ。

「皆と同じようにしなさい」と型にはめずにのびのびと育てることが、体感優位の子供の能力を伸ばす秘訣ですよ。

『体感』優位タイプの子供の特徴・見分け方

  • 考えるときに斜め下を見て、手を頬につける
  • 何かを説明するときの表情が豊かで、ジェスチャーが多い
  • ゆっくりと落ち着いた話し方をする
  • 集中して考えるときには、体全体や一部分が動く
  • 説明書が苦手で、実際にやってみて理解する
  • 好きなことにはとことん熱中するが、嫌いなことには取り組みにくい
  • 空腹でイライラしやすく、気分屋の傾向がある
  • ADHD(注意欠陥多動性障害)や学習障害と判断されてしまうことも

『体感』優位タイプの子供はこう伸ばそう

  • 勉強中にじっと座っていられなくても、叱らない(頭は働いている)
  • 理屈で説明するより、実際にお手本を見せたり体験させる
  • 楽しく感じるとハマりやすいので、勉強やスポーツをさせるときには雰囲気作りを心がける
  • なるべく型にはめず、好きなことに好きなだけ取り組ませると、能力が伸びやすい
  • 大人の「助かる」「嬉しい」という言葉に影響を受けやすいので、いつも感謝の気持ちを伝えるようにする
  • 周りの雰囲気や噂に流されやすいので注意

体感優位タイプに多い職業

スポーツ選手・ダンサー・料理人・職人など

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『視覚』優位タイプの子供は、見たものを頭で写真を撮る

目で覚える視覚優位の子供

次に、『視覚』優位タイプです。

視覚優位タイプは、考え方や感じ方の中で『視覚』が優先される人

言葉よりも、図やチャートなどで学習するほうが得意で、見たものを頭で写真を撮るように記憶します。

ですので、視覚タイプの子供に何かを教えるときには、口頭で説明するより図・絵・映像などを見せる、また実際にやって見せて真似させるのが効果的。

また、映像やゲームにも強い興味を示し、未来像を描くのも得意です。

ただし、何でも見ているだけで十分満足してしまい、引っ込み思案・大人しいと誤解されることも。

視覚優位タイプの子供が黙って何かを見ているときは、頭が働いているときなので、急かさずに満足いくまで見させるようにしましょう。

『視覚』優位タイプの子供の特徴・見分け方

  • 考えるときに上を向く
  • 何かを説明するときに、指で空間に絵を書いたり手で形を作ったりする
  • 見たものを、写真を撮るように記憶する
  • 図やチャートなどで学習するのが得意で、絵にかいて覚えることも多い
  • 絵本・図鑑・漫画が好きで、ゲームやテレビなどの映像にも強い興味を示す
  • 絵を描いたり空想遊びをするのが好き
  • ブロックやパズル、立体図形が得意
  • 物へのこだわりが強く、気に入った物を並べて眺めるのが好き
  • 人見知りや場所見知りがあり、鬼やオバケを異様に怖がることも
  • 頭の中で映像化した世界で物事を進めるので、時間の区切りを守るのが苦手
  • 騒音はあまり気にならない

『視覚』優位タイプの子供はこう伸ばそう

  • 口頭だけで説明すると混乱するので、メモや図を使う
  • 風景や部屋のインテリアに影響を受けるので、学習や遊びのスペース作りを大切にする
  • 色鮮やかな自然の風景や図鑑を見せたり、カラフルな玩具や文具を揃えたりする
  • ブロック遊びや描画は、お手本を見せずに自由にさせる
  • 学習も遊びもできるだけ時間を制限せずに、納得いくまでさせる

視覚優位タイプに多い職業

画家・写真家・デザイナー・建築家・外科医・パイロットなど

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『聴覚』優位タイプの子供は、耳から覚える

聴覚優位の子供

3つ目は、『聴覚』優位タイプ。

聴覚優位タイプの子供は、耳で聴くことで物事を理解し記憶することが得意です。

テキストを読むより、人に教えてもらったり音声で聴いたりする学習のほうが効果的。

そのため、音楽や外国語が身につきやすい傾向にあります。

合理的で論理的な考え方を好む一方で、自分の考えをまとめて表現したり長期的な計画を立てたりするのが苦手な面も。

大人では、IT系の人に聴覚優位が多いと言われていますよ。

『聴覚』優位タイプの子供の特徴・見分け方

  • 考える時は正面を向いて目が左右に動く・手で顔を触る・ジェスチャーは少ない
  • 一度聞けば、多くのことを理解できる
  • 読むよりも口で説明してもらったほうが理解しやすい
  • 教科書を音読で覚えたり、人の発言を繰り返すことが得意
  • 一度聞いた歌やメロディをすぐに覚える
  • リズム感があり、絶対音感も付きやすい
  • 外国語の習得が早い
  • ひとり言が多い(自分が話したことを耳で聴き、理解しようとする)
  • 合理的で論理的な思考をする傾向
  • 考えをまとめたり長期的な計画を立てたりするのが苦手
  • 音に敏感で、遠くの小さなサイレンなどにも気づく
  • 大きな音がすると集中できない

『聴覚』優位タイプの子供はこう伸ばそう

  • 学習は、目からより耳からが効果的
  • 音読すると記憶しやすい
  • 音楽・リズム・楽器・ダンスなどにたくさん触れさせると、脳が活性化する
  • 英語などの語学もおすすめ
  • 会話するときには子供の話すスピードに合わせて、しっかり言葉で表現しながら進める
  • 周りの音に影響を受けるので、じっくり話したい時には静かな場所を選ぶ
  • 何かを伝えるときには、時系列や順序をなどをしっかり守って合理的に話す
  • 相手の声色に敏感なので、声の調子やトーンに気を付ける

聴覚優位タイプに多い職業

IT系・音楽家・通訳・アナウンサー弁護士・芸人など

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『言語感覚』優位タイプの子供は、言葉に置き換える

言語感覚優位の子供

最後に、『言語感覚』優位タイプです。

言語感覚優位タイプは、ものごとを『言葉』に置き換えて理解するタイプ

言葉へのこだわりが強く文章を書くのが得意だけど、意外なことにおしゃべりは得意な子とそうでない子がいます。

それは、頭の中であまりに多くの言語思考が働いているため、逆に思考がまとまりにくいから。

その代わり、話すときにはその日あったことや感じたことなどを、ゆっくりでもきちんと順序立てて説明します。

また、物語が好きで想像力が豊かなので、空想のこと(ウソ)を話すこともあるけれど、年齢とともに減るので叱らずに温かく見守るようにしましょう。

ちなみに言語感覚優位の大人は、一言一言にこだわり、プロセスや構造などに価値を置くため、理屈っぽいと思われることもあります。

『言語感覚』優位タイプの子供の特徴・見分け方

  • 言葉にこだわり、ゆっくり考えて文章を書くのが得意
  • 読書好きで、文字を覚えるのも早い
  • しりとり・なぞなぞ・ごっこ遊びが好き
  • 空想力が高いため、ウソの話をすることがある
  • 言葉に置き換えて考える分、学習スピードがゆっくり目に見えることも
  • 見たことや感じたことを順序立てて話すことができる
  • 思考量がかなり多く、考えがまとまらずに発言が苦手な子も
  • 自発的にはあまり動かない傾向

『言語感覚』優位タイプの子供はこう伸ばそう

  • 質問への返答が遅いときは、頭の中でたくさんの思考が溢れているので、せかさずゆっくり待つ
  • しりとりやなぞなぞなど、言葉を使った想像遊びをたくさんする
  • 質の良い絵本や映画などに触れさせる
  • 大人が使う言葉の意味にも敏感なので、言葉の選び方に注意する

言語感覚優位タイプに多い職業

作家・作詞家・雑誌の編集者・金融関係・教師・内科医・コピーライターなど

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ちなみに我が家の場合は…

以上、4つの型の優位感覚をみてきました。

ご参考までに我が家のタイプをお伝えすると…

まず、小学生の息子は『視覚』優位タイプ

子供いわく、常に頭の中で100枚くらいの写真がベルトコンベアーで回っていて、それを出したりしまったり組み合わせたりしながら物事を考えているそうです。
(それを初めて聞いたのは4歳の時で、今でも続いているそうです。)

子供に何か聞かれて答えるときには、口頭だけでなく画像検索や You Tube の映像を見せると、ストンと納得するようですよ。

一度見た絵や景色・置かれた物の順番・表の内容などを本当によく記憶しているし、自分用のメモはほとんど絵で描いています。

 

主人は『体感』優位と『視覚』優位が混在

考えるときはとにかく歩き回る。落ち着きがないです(笑)

そして一度会った人の顔は絶対に忘れません。

ちなみに仕事はグラフィックデザイナーです。

 

私は完全に『聴覚』優位

小さい頃から音楽や語学が大好きで、読み書きするより何度も口に出した方が覚えます。

人の顔を覚えるのが苦手で、特に洋画は登場人物がなかなか覚えられません ^^;

逆に、人の声や一度聞いた音楽は、結構長い間覚えていたりしますよ。

 

家族みんな違うのは、おもしろいですよね。

優位感覚というものを知ってから、お互いの考え方の違いを「だからか~!」と理解し合えるようになった気がします。

 

 

まとめ ~落ち着きがない子は大丈夫!?

子供の優位感覚

子供が小さいうちは、ちょっとした子供の特性に一喜一憂しがちですよね。

聞いた歌をすぐに覚えて歌ったら「うちの子天才かも!」と喜んだり、他の子に比べて落ち着きがないと「ADHDかも。」と心配になったり。

でもそれは、子供の五感の中の偏りで、最初にも書いたけれど『利き手・利き足』のようなもの。

大切なのはそれを一喜一憂するのではなく、『子供の優位感覚を理解して、それに合わせて子育てすること』です。

子供は自分の感覚をコントロールすることはできないので、大人がそれを理解して教育したりコミュニケーションを取ったりする必要がありますよ。

 

また、優位感覚は1つだけではなく2つ3つが混在することもあるし、五感の発達の段階で表れ方が変わっていくこともあるので、あまり「これ!」と決めつけずに長期的に見ていくことも大切です。

親子で優位感覚が違うと、行動が理解できずに叱ってしまったり衝突してしまうこともあるけれど、優位感覚はしっかり伸ばせばその子の将来の大きな『財産』になる能力

足りない感覚を補おうとするよりも、優位な感覚をできるだけ伸ばすような環境作りをして、持って生まれた能力をのびのびと発揮できるように手助けをしたいですね。

 

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