よく「地頭が良い」という言葉を聞きますよね。
「できれば地頭の良い子に育ってほしい」と、多くの親御さんは願うと思います。
子供の地頭を養っておくことは、将来の学習や人生において非常に有効です。
地頭が良い子供は、物事をよく理解し、問題解決能力や創造力が豊かなため、学校や社会で優れた成果をあげやすい傾向にあります。
もちろん地頭は生まれつきの遺伝子的要素もあるけれど、環境や教育によって地頭を良くすることができますよ。
ここでは、モンテッソーリ教育とチャイルドコーチングの指導者で1児の母でもある筆者が、子供の地頭を鍛えるための具体的な方法を紹介していきます。
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子供の思考力を鍛える3つのステップ
「地頭がいい子供」ってどういう子のこと?4つのポイント
まず、「地頭が良い子供」とはどういう子のことをいうのでしょうか?
大きくまとめると次の4つのポイントがあります。
つまり、『地頭がいい子』とは「物事の理解力と記憶力に優れていて、自分で考えて問題解決ができる子」のこと。
一つずつ見ていきましょう。
知識の吸収が速い子
新しい知識や情報を見聞きしたときに、内容をしっかり理解して素早く吸収できる子は、地頭がよいと言えます。
例えば、学校の授業で新しいトピックが出たとき、地頭が良い子はすぐに全体像をとらえて内容を理解し、自分なりの考えを持つことができます。
記憶力が優れている子
地頭が良い子は、見聞きした情報を記憶しやすく、長期間にわたって覚えていることができます。
例えば一度習ったことや一度聞いた歌の歌詞などを、すぐに記憶することが得意。
これはただ単に暗記力が高いということだけではなく、内容をしっかり理解して自分のものにしている、また物事をイメージ化してとらえることができている、ということです。
問題解決力が高い子
地頭が良い子供は、物事に直面したときに自分で課題を見つけ、試行錯誤しながら問題を解決することが得意です。
筋道を立てて論理的な考え方をし、より効果的な解決策を見つけていきます。
創造力が豊かな子
創造力が豊かで自分なりのアイデアを出すことができる子も、地頭がよい子と言えます。
例えば、何か問題を解決するときに他の人が考えもしない方法を思いついたり、絵を描くときにその子独自の世界観を考え出して表現したりすることができます。
子供の「地頭」を鍛える6つの方法
では、子供の地頭を鍛えるにはどのような方法があるのでしょうか?
最近では『脳科学』や『認知科学』で、子供の脳に良い影響を与える具体的な方法がわかってきています。
代表的な方法は次のとおり。
子供の地頭を鍛える方法
その理由や効果的な方法もあわせて、順番に見ていきましょう。
読書(読み聞かせ)
読書で養える地頭言語能力・記憶力・想像力・共感力・集中力・思考力・問題解決力
まずは、よく言われる地頭を鍛える代表的な方法の『読書』から。
読書は語彙力を増やし、言葉の意味を理解するための脳の部位を刺激することがわかっています。
そして脳の中のシナプスが強化されることで、記憶力や学習能力の向上が期待されます。
また、読書によって新しい情報や視点を得ることで想像力を刺激し、新しいアイディアを生み出して問題を解決する力や創造性を向上させる効果も。
さらに読書には感情を共感する効果もあるので、精神的な安定も促すことができますよ。
特に子供の脳は発達途上にあるので、読書による脳の発育や認知機能の発達効果はより大きいと言われています。
同じことは『読み聞かせ』にも言えます。
読み聞かせは、子供の語彙力・言語能力・想像力・創造力などを促進。
また聞き逃すまいと集中するため、注意力や記憶力なども向上します。
読書と同様に、読み聞かせを通じて子供は新しい知識や概念を身につけ、問題解決能力や論理思考能力を養っていきます。
読書と読み聞かせのさらに効果的な方法は、『アウトプット作業』を取り入れること。
読み終わった後に感想を話し合ったり、小学生以上なら一言感想文を書く習慣をつけるとなお良いでしょう。
そして何より大切なことは、決して難しい本や親が理想とする本を強要せず、子ども自身が興味を持った本を選ぶこと。
まずは読書の楽しさを知ってもらうことを優先し、自由な時間に好きな本を読める環境作りを心がけましょう。
パズルやクイズ
パズルやクイズで養える地頭論理的思考力・問題解決力・集中力・忍耐力・言語理解力
パズルやクイズは、子供の脳に刺激を与えて知的能力を向上させることができます。
複雑な問題を解くには、まず何より論理的思考力が欠かせません。
筋道を立ててどうすればうまくいくか考えることで、問題解決能力が鍛えられます。
当然集中しなければできないので、集中力や忍耐力も向上。
クイズでは問題を理解し答えを導き出すために新しい言葉や概念を学べるので、言語理解力もアップしますよ。
ただし、早く地頭を鍛えたいからといって、子供の能力に見合わないパズルやクイズに取り組ませるのは、脳が拒絶反応を示すので逆効果です。
子供にとってはあくまで遊びの延長で、ワクワクした気持ちを失わないようにすることが大切。
楽しみながら徐々に難易度を上げていくと、そのうち年齢を超えた難しい問題にも取り組めるようになりますよ。
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ブロック遊び
ブロック遊びで養える地頭空間認識能力・手指の器用さ・創造力・集中力・論理的思考力・問題解決力
ブロック遊びには、積み木・レゴ・キュブロなどさまざまな種類があります。
ブロック遊びで鍛えられる一番の地頭の要素は、空間認識能力。
縦横だけでなく高さや深さの概念を認識することで、創作の範囲はかなり広がり、平面とはまた違う頭の使い方をしていきます。
パズルと同様に思考力や問題解決力も身に付くけれど、パズルやクイズとの一番の違いは、正解がないところ。
自由な発想で自分だけのオリジナル作品を作ることができるため、子供の創造力や無限のアイデア力を引き出すことができますよ。
また、手指を細かく使うことも子供の脳の発達にとって非常に有効。
脳の幅広い領域を刺激することができます。
工作や絵画
工作や絵画で養える地頭空間認識能力・手指の器用さ・認知能力・創造力・表現力・集中力・問題解決力・情緒安定
工作もブロック遊びと同様に、空間認識能力や創造力が鍛えられます。
加えて、工作はさまざまな材料を使い、ブロックのように大きさや形の制約がないので、より自由な創造力・表現力・認知能力を養うことができます。
絵画では色を混ぜたり濃淡を付けたりすることで、平面の中でも幅広い表現力が身につきます。
また絵を描くことは自分の内面と向き合うことになり、子供がさまざまな能力を思う存分に発揮するのに欠かせない情緒の安定にもつながります。
工作や絵画をする際のポイントは、できるだけ子供が自由に表現できるようにすること。
いくら高いお金を払って教室に通っても、皆で一律に同じものを作ることを強要されてしまっては、技術が身につくだけで地頭は決して鍛えられないので、注意が必要ですよ。
ピアノなどの楽器演奏
ピアノなどの楽器演奏で養える地頭手指の器用さ・右脳左脳の協調性・認知力・記憶力・集中力・感性・自己表現力・自己肯定力・情緒安定
楽器演奏は、単に音感や技術を磨くだけではなく、実は子供の地頭を鍛えるためのとても良い方法であることがわかっています。
たとえばピアノなら、左右の手を別々に動かし、リズムを保ち、楽譜を読むなどの作業をすべて同時に行っていくことで、左右の脳の協調性が高まり、脳のプロセスに関与する神経細胞の数が増え、知的な能力を向上させると言われています。
また、認知能力・記憶力・集中力なども向上し、ストレス解消やリラックス効果、さらには自己効力感や自己肯定感を高める効果も。
東大生は幼少期からピアノを習っていた割合が高いというのも頷けますね。
運動・スポーツ
運動で養える地頭認知能力・忍耐力・判断力・集中力・情緒安定・コミュニケーション能力
運動と頭の良さとは関係がないように思えるけれど、実は運動は子供の地頭に大きな影響を与えることがわかっています。
体を動かすことで脳の神経細胞が増え、地頭の大元となる神経回路が形成。
脳の前頭前野と呼ばれる領域が活性化され、意思決定や問題解決能力などの認知能力が発達します。
また全身を動かすことで右脳と左脳がバランスよく活性化され、思考力や創造力も高まります。
さらにスポーツ競技に取り組むことで、集中力・忍耐力・判断力・コミュニケーション能力などが向上し、自己肯定感が高まることで情緒が安定していきますよ。
日本のノーベル賞受賞者の多くは、幼少期に何かしらのスポーツに取り組んでいたというデータも。
子供のうちは、ひたすら先取り学習をして目先の成績を良くするよりも、しっかり体を動かして脳の土台を作っておくことを優先するのがおすすめですよ。
まとめ
以上の方法を取り入れることで、子供の地頭を鍛えることができます。
どれも有効な方法だけれど、一番大事なのは子供が自ら楽しんで取り組むこと。
地頭が良くなるからと無理強いするのではなく、子供が自分で興味を持ったものを自由に選択し、取り組み方も子供の自主性を尊重することが大切ですよ。
親御さんの温かい愛情で育まれた「自己肯定感」を大前提に、日々のさまざまな活動で子供の地頭を最大限に高めていきましょう!
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