『小1の壁』と言うと、共働き家庭の社会的な問題を指すのが一般的。
至れり尽くせりの保育園とは違い、早い下校時間、平日の行事、長期休暇など、働くママさんには頭の痛い問題です。
でも待ってください!親だけでなく子供側にも『小1の壁』はあるんです。
生活のすべてが変わる小学校入学は、子供にとっても一大事。
「もう1年生なんだからちゃんとできるようにさせなくちゃ」
「ここでしっかり自立させておかないと、後が大変」
と良かれと思って叱りすぎてしまうと、取り返しのつかないことに。
子供が深いコンプレックスを抱えたり、心を壊してしまう前に、小1の子供への接し方をしっかりみておきましょう。
モンテッソーリ教育とチャイルドコーチングの指導者で1児の母でもある筆者が、子供の側の『小1の壁』の注意点をお伝えしていきます。
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小1の壁 ~入学でこんなに変わる『子供の生活』
まずは、小1になって変わる『子供の生活』を見てみましょう。
- 園で仲が良かったお友達と離れる
- 子供だけで登下校する
- 毎日4~5時限お勉強をする
- 座っている時間が長い
- 先生が園に比べて厳しい
- 給食の量が多く、時間も制限される
- 園のように身の回りのお世話をしてくれる人がいない
- 覚える規則やルーティーンが多い
- ランドセルが重い
- 宿題や翌日の用意など、帰宅後もすることがある
こんなにたくさんの変化が、たった6~7歳の子供に押し寄せる、それが小1の壁です。
もちろん大人からしてみれば当たり前のことばかりだけれど、子供にとっては生まれて初めての高い壁なのです。
入学前に前倒しで準備をするのは危険!?
では、子供の小1の壁が少しでも低くなるように、年長さんから準備をしておけばよいのでしょうか?
確かに、いくつかは前倒ししておくことはできます。
たとえば、字が書けるようにしておく、長時間座る練習をしておくなど。
でも、幼児期には幼児期に必要な『成長の課題』(好奇心や自己肯定感を育てること)があり、小1の生活を前倒しすることは必ずしも良いとは言えません。
幼児期に親や先生にたっぷり甘えて自己肯定感を高めた子は、逆に小学校に入ってから精神的な自立が早いと言われています。
また勉強面でも、
『偏差値68以上の難関大学に行き司法試験や医師国家試験に合格する人は、そうでない人よりも小学校入学前に思い切り遊んでいた割合が顕著に高い』
ことがわかっています。
出典:お茶の水大学発達心理学 内田伸子名誉教授『学力格差は幼児期から始まるか?』教育社会学研究第100集(2017)
ですので、幼児期にやみくもに小学校の準備をすることは、長い目で見るとあまりおすすめできません。
小1の壁 ~小学1年生が抱える『心の不安』
では、生活が一変する小1の子供の心の中がどうなっているのか見てみましょう。
小1の子供がワクワクすること
- 園より広い校舎・校庭・体育館で開放感がある
- 新しいお友達ができる
- 新品の教科書・ノート・ランドセルが嬉しい
- 勉強が楽しい
- 緊張感が心地よい
- 体育や図工の授業では園よりダイナミックなことができる
小1の子供が不安になること
- 急な変化に戸惑い、頭の中が整理できない
- 今まで自信を持っていたことが通用せず、気持ちが折れる
- 同級生と比べられたり順位をつけれらることが増え、劣等感を感じる
- 先生が厳しくなり、守られている感覚がなくなる
もちろん個人差はあります。
特に『不安』の度合いは、月齢や兄弟姉妹の有無でも大きく変わってきます。
春生まれの子は比較的適応が速いけれど、早生まれの子はまだ親や先生に甘えたい盛りで、新しい環境に適応するまでに時間がかかります。
また、上に兄弟姉妹がいる子は、事前に間近で小学生の生活を見ているので、早生まれでも入学への抵抗が少ないケースが多いです。
でも、ほとんどの小1の子供は何かしらの不安を感じます。
そんな中、一番安心基地であってほしい親までもが、
「小学生になったらこれぐらいできなくちゃ」
「最初にきちんとしつけておくのが本人のため」
と厳しく叱ってしまったり、「早くしなさい!」と急かすことが多くなっていたら、子供の心は悲鳴をあげてしまいます。
反抗したり泣いたりして気持ちを表現できる子はまだマシ。
何も言わずにただ口数が少なくなっていく子は、日々自己肯定感ならぬ『自己否定感』が増えていっている危険がありますよ。
つい期待してしまう?!小1の子供への親の気持ち
なぜ親は小1になった子供に、幼児期よりも厳しくしてしまうのでしょうか?
それは、
- 子供が小学校でついていけないとかわいそうだから
- 小1で皆より遅れを取ると、後々まで影響するから
- 「小1になったこんな風に教育しよう」と決めていたから
- 「こんな子になってほしい」という理想がある、もしくは少なくとも「できない子」にはなってほしくないから
- 環境や生活のリズムが変わり、親自身が精神的に不安定になっているから
という気持ちがあるからではないでしょうか。
この中で、まずは多くの親御さんが「小1になったらこう教育しようと思うこと」についてみていきましょう。
「小1になったら子供にこう教育しよう」と親が思うこと
1年生になったらこんなふうにさせたいな
- 学校の用意を1人でする
- 指示しなくても順序立てて生活ができるようにする
(帰ったら手を洗って宿題をする/自分で時間を見て寝る用意をするなど) - 毎日の学習習慣をつける
- 食事を速く食べられるようにする
- テレビは、アニメだけでなくニュースやドキュメンタリーもみせる
- お風呂に1人で入る
- 朝は自分で起きる
- 新しい習い事を始める
上はほんの一例ですが、このように
「身の回りのことを自分でさせたい」
「就学前よりいろいろステップアップさせたい」
と考えている親御さんは多いと思います。
もちろん間違いではないけれど、小1になったからといって一度に多くを期待しても、それは無理。
子供はただでさえ環境が一変して不安いっぱいの中、家での生活まで急に変わってしまったら、頭も心もパンクしてしまいます。
しかも、このようなしつけするために、
「つい怒ってしまう」
「何度も強い口調で言ってしまう」
ことが多くなるのではないでしょうか?
そうすると子供は、
「できるように頑張ろう!」という前向き気持ちよりも、
「自分はダメなんだ」
「お母さんお父さんは、もう自分のことを好きじゃなくなったんだ」
「ちゃんとできない子は愛されないんだ」
という自己否定の気持ちが強くなります。
親としては良かれと思ってすることも、その愛情はなかなか子供には伝わらないのです。
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「こんな小学生になってほしい」と親が思うこと
また、親が「こんな小学生になってほしい!」と理想を持つこともあると思います。
たとえば、
親の理想の小学生
- 明るく思いやりがあり、友達が多い子
- 挨拶やお話がハキハキできる子
- 勉強もスポーツもできる優等生タイプ
- 親や先生の言うことをしっかり聞ける子
- がまん強く、集中力がある子
いわゆる「できる子」ですね。
できる子像に近づけようとすると、わが子の足りないところばかりが目につき、まずまず1日中怒っていることに。
特に、兄弟・近所・仲の良いママ友の子に優等生タイプの子がいる場合は、無意識のうちに比べて親自身が落胆し、つい子供にキツく当たってしまうので、注意が必要ですよ。
子供の性格・成績・得手不得手は、すべて『伸ばせば将来武器になる個性』
小1の子供への接し方を説明する前に、まずは「どんな子が将来伸びるのか」をみていきましょう。
将来どんな子が伸びる?
- 小学生の時に優等生タイプではなく、マイペースで自由にのびのび育った子が、将来大成することが多い
- 成績や生活能力が高い子よりも、親の愛情をたっぷり受け『自己肯定感』の高い子が能力を伸ばしやすい
- 世の中の新しいことや人並外れたすごいことは、いつも『王道と外れたところ』から生まれる
まず小1の時点で何でも他の子より優れている優等生タイプの子は、周囲から常に『できること・大人の言う通りに行動すること』が当たり前だと思われています。
だから、無意識のうちに『期待通り』の行動をしてしまい、かっこ悪いこと、失敗しそうなこと、好きだけど王道から外れたことに挑戦しづらくなり、能力を思う存分伸ばしきれないことがあります。
逆に、小中学校で目立たなくても高校大学・社会人になって急に頭角を現すのが、
「マイペースで自由な発想をし、好きなことをたくさんしてきた子」。
実は、実業界で成功している人は子供の頃にはそれほど成績が良くなかった人が多いと言われています。
スタンフォード大学がIQが135以上の子供1528人を60年にわたって調査したところ、ほとんどの人が実社会では大成してしなかったそうです。
また、コーネル大学の研究でも『協調性が高すぎる男性は収入が低い』、ドイツの心理学者ヘッツァーの研究では『聞き分けのない子供の方が、圧倒的に意志が強くしっかりとした判断力のある大人になる』といった結果が出ています。
出典:『脳科学的に正しい一流の子育て Q&A』三笠書房/西剛志著
そして成功している人は皆口を揃えて、「子供の頃、親(特に母親)には本当に愛してもらった」と言うそうです。
それは決して甘やかされたということではなく、「いつも味方でいてくれた、自分を認めてくれた」ということなのでしょう。
ですので、優等生タイプの子には、
「失敗してもいいんだよ」
「周りを気にせず自分の好きなようにしていいよ」
と言い聞かせることが大切。
またそうでない子は、親が『優等生タイプ』を目指させないようにしましょう。
子供の性格・成績の良し悪し・得手不得手などのすべては、その子の持って生まれた尊い個性。
親の価値観に子供をあてはめるのではなく、まずはありのままの子供を受け入れるところから始めてみましょう。
そしてむしろ、
極度の人見知り、学校になじめない、並外れたマイペースぶり、まったくじっとしていられない
など、周りの子と違うところがあったら、それを欠点ではなく「うちの子は人と違うぞ、よし!」と親が思えれば子供はのびのびと力を発揮することができるでしょう。
「親の価値観で決めた『期待値』を高くしない」
ことが、将来子供が伸びるための秘訣ですよ。
小1の壁をなくすには、子供にどう接すればいい?
さていよいよ、具体的に小1の壁を感じている子供にどう接すればよいのかをみていきましょう。
ここからは基本的に『チャイルドコーチング』のメソッドに基づいて解説します。
チャイルドコーチングの最終目的は、
- 子供が持てる能力を存分に発揮できること
- 子供が自分で自分の人生を切り開いていけること
です。
小1の育児①
まずは子供のありのままの姿を認め、将来を見すえよう
小1の子供に接するときには、『今、優秀な小学1年生』になるように育てるのではなく、将来を見すえて賢く見守ることが大切です。
具体的には次の通り。
- まずは、ありのままの子供の姿を認める。
- 一度に多くの課題を与えず、「スモールステップ」で少しずつ前進する。
- 子供が自分で考えて行動しようとしているときは口を出さず、じっくり付き合う。
- 子供が好きなこと・夢中になっていることを尊重する。
- 親の価値観で目標を決めない。(高すぎる期待値は、子供の自己否定と親子関係の悪化につながる)
「これでは甘い!最初に厳しくしつけておかないと、子供のためにならない」
「勉強や運動をできるだけ得意にしてあげたい」
と思うかもしれません。
でも、『将来自分で考えて行動できる人・好きなことを見つけて能力をしっかり伸ばせる人』になってほしかったら、『今完璧な小学1年生』をめざしてはいけません。
オセロや囲碁将棋でも、目先の優劣よりも何手も先を読んで打ちますよね。
それと同じです。
将来、自分で考えて動ける人になるには、今子供がゆっくり考えて行動するのに付き合うこと。
将来、何かにトコトン集中して極めてほしければ、今子供が夢中で何かをするのを止めないこと。(たとえそれが幼稚なことでも)
子供の今の状態をきちんと見て認めてあげることで、子供は自ら次のステップに挑戦していくのです。
その積み重ねで、子供は長い年月をかけて自分の能力の発揮の仕方を学んでいきます。
逆に、今子供ができないことや心の弱さなど、『今の子供の弱点』をターゲットにして型通りの良い子になるように叱り続けると、子供は自分で考えることを放棄し、委縮した生活の中で生まれ持った能力を1つ1つ手放していきます。
育てるべきは、目先の出来ばえではなく、子供の奥底にある『大きな可能性を秘めた芽』なのです。
ただし、親は子供をコントロールしてはいけないけれど、「良い影響を与える」ことはできますよ。
その方法は、
- 親の背中を見せる
- 子供と一緒にやる(勉強やスポーツなど)
こと。
子供の人生の一番のモデルは親。
親の行動を見て学び、同じようにしようとします。
『時間を守る、しっかり準備をする、挨拶をする、物を大切にする。』
そんな親の行動をみて、子供は生きる上で大切なことを習得していきます。
親と同じ仕事に就いたり同じ趣味を持ったりするのも、知らず知らずのうちに親の行動が影響を与えているから。
だから、子供の隣で一緒に勉強したり、スポーツを一緒にするのはとても大きな効果があります。
逆に、イライラしてよく怒る親だと子供もいずれ短気で怒りっぽい人間になり、親がネガティブ志向だと子供もそうなるので、注意が必要ですよ。
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小1の育児②
「早く!」は程々に。『待つスキル』で子供の自己教育力を養おう
「早くしなさい!」
が口癖になっていませんか?
子供は何をするにも基本的にスローペース。
のんびり考えながら、時間が無限にあるかのようにゆっくり進めていきますよね。
それは、小1になったからといって急に早くなるわけはありません。
一方、長年かけて何でも早くするように訓練され、スピード感のある社会で生活してる私たち大人は、『待つこと』がとても苦手。
その大人が「何分でここに移動して、何時までにこれを終わらせて…」と組んだスケジュール通りに小1の子供が動くのは、至難の業です。
そして、
「早くしなさい!」
「間に合わないでしょ」
「今はそんなことをする時間じゃないよ」
という言葉が出てきてしまうのです。
でも、大きな声と素早い動作で子供をコントロールしようとすると、子供は恐怖心から思考をストップしてしまいます。
そして、毎日のように大声でせかし続けると、無気力・自己肯定感が低くネガティブな子・指示待ち人間、と子供の将来にまで大きく影響してしまいます。
小1に限らず、子育てにおいて『待つスキル』はとても大切。
子供のペースや気持ちを尊重することで、『自己教育力』つまり自分の人生を自分で組み立てていく力が養われるのです。
そもそも、「早く!」と言って早くなることは残念ながらありません。
そんな時には、次のように考えてみましょう。
- 「早く!」と叱る前に深呼吸をする(感情の勢いのまま叱らない)
- むやみにせかさない方が将来伸びると肝に銘じ、グッとこらえる
- 「早くやりなさい」ではなく、「一緒にやろう」と誘う
- 一緒にやってみせてイメージを学び取らせる
- 「今することは何だっけ?」と語りかけ、考える時間を与える
- スケジュールは、大人の感覚よりゆとりを持って組む
- 遅くても親が先回りしてやらない
もちろん時間の制約はあるけれど、子供の頭の中の思考回路を想像しながら、できるだけゆったりとした気持ちで付き合うようにしましょう。
そのためには、親自身ができるだけ時間にゆとりを持って過ごすことが大切ですよ。
小1の育児③
ほめる?叱る?
よく、「ほめて育てる?叱って育てる?」という議論になりますよね。
最近の脳科学や発達心理学の考え方では、
『ほめる』ではなく『認める』
『叱る』ではなく『伝える』
ことが大切だと言われています。
まず『ほめる』から。
ほめるときのポイントは、
「最近~を頑張っているね」
「今日は約束通り~できたね」
と、頑張りをほめること。
そうすると、「親は自分をちゃんと見てくれている・認めてくれている」と安心し、次への意欲が育ちます。
また、
「あなたがいてくれて助かった、嬉しいよ」
と存在自体を認めるのも、子供の自己肯定感を高めるのにとても有効です。
逆に、
「一番ですごいね」
「絵が上手に描けたね」
と、結果や成果だけをほめるのは、「うまくできないと認めてもらえないんだ」と思い、良い子を演じたり失敗を恐れるようになるので、あまり良くありません。
だから、ほめるときには
〇 頑張りを認める
〇 背後にある気持ち(勇気や優しさ)をほめる
× 結果だけをほめない
× 他人と比較してほめない
ということに気をつけましょう。
次に『叱る』ことについて。
叱る時には、感情に任せず一呼吸おいて、何がダメなのかを冷静に伝えるようにしましょう。(危険なこと以外は)
大きな声と強い言葉で叱っても、子供は恐怖を感じるだけで内容はほとんど伝わりません。
まずは時間をかけて子供の言い分を聞く。
その上でなぜいけないのか、どうしたらよかったのか、じっくりと話し合いましょう。
その際には、起きている『事象』について話し、決して『人格や性格(個性)』を否定してはいけません。
つい感情的になって声を荒げてしまうこともあるけれど、小1の壁に限らず長い子育てにおいて親子の信頼関係を作っておくことはとても大切。
子供の親への不満や不信感は心に積もり、いつか必ず何かの形で現れます。(反抗期に爆発する、引きこもり、自傷など)
そうなってから子供の気持ちを聞こうとしても、もう心を開いてはくれません。
それどころか、いつも親に否定されて頭ごなしに叱られてばかりしてきた子は自己肯定感がとても低く、将来の仕事や結婚にまで影響します。
そうならないためには、日頃からきちんと愛情を伝えておくことが大切。
「親子なんだから、厳しくしても信頼しあえるはず」
「あなたのことが大切だから怒っているんだと、言わなくてもわかってくれるはず」
と思わず、いつも愛情を惜しみなく伝えるようにしましょう。
愛情を伝える一番簡単な方法は、
「ありがとう」という言葉と『親の笑顔』。
あなたの存在と行動を認めているよ、という気持ちが一番伝わります。
信頼関係さえできていれば、多少叱ることがあっても大丈夫ですよ。
小1の育児④
親はどこまで手を出せばいい?
親が何から何までお世話をしていた乳幼児期。
小1になって、どのくらい親が手だし口出しをしてよいのか迷ってしまいますよね。
上にも書いた通り、1年生になったからといっていきなり何でも1人でするように強要するのは、よくありません。
『スモールステップ』で、最初は一緒にやりながら、少しずつ自分でできるように促していきましょう。
かと言って、小1になっても幼児の時と同じ感覚で何でもやってあげるのもよくありません。
過保護や過干渉は、毎日声を荒げて強く叱るのと同じ『支配』の1つ。
決して親が子供の人生を『コントロール』『プロデュース』しようとしてはいけません。
甘えん坊だった我が子が自分の手の内から出て行ってしまうのは寂しいけれど、子供の健全な成長のために少しずつ手を離していく必要がありますよ。
ポイントは、親の役割を
- 見守る
- 手助けする
にとどめること。
まず大切なことは、
「子供には失敗する権利がある」
と知ることです。
自ら物事を学び取り、試行錯誤しながら解決していくことは、子供にとって『喜び』。
子供は様々なことを経験するために生まれ、また困難を乗り越える力を持って生まれてきます。
失敗することは、決してかわいそうなことではありません。
大人が経験から知り得た知識やノウハウをすぐに教えてしまうのは、その喜びを奪うこと。
教えてあげたい親心をグッとこらえて見守り、子供が話をしたがったらどっしり構えて聞き、助けを求められたら最低限のフォローをする。
これが、親が子供にできる最高の贈り物です。
もちろん、親がアドバイスをすることはあるけれど、親の意見は『最終結論』ではありません。
それを聞いた子供が、自分の見方や思考を調整し、自分で最終的な決断をするのです。
いつも念頭に置いておきたいのは、
『子供を1人の人格として認める』
という意識。
子供は親の所有物や作品ではなく、「子供の人生の主人公は子供自身」です。
小1の子供はまだ体も小さく話もつたないけれど、決して大人の『素早い動作・素早い思考・価値観・間違った愛情』で支配しないようにしましょう。
まとめ 〜子供側の『小1の壁』はたっぷりの愛情で乗り切ろう
可愛い我が子が小学1年生に。
たくさんの可能性を秘めた子供の入学に、親御さんも期待が膨らみますよね。
でも、小1になったからと言って急に成長するわけではなく、中身はまだまだ親に甘えたい盛りの子供。
急に多くのことを頑張らせるのではなく、じっくりと子供の心の成長に合わせて愛情を持って1つ1つ取り組んでいきましょう。
甘いと思うかもしれないけれど、5年後10年後を見すえると、結果的にその方が伸びるのです。
目先の出来不出来や成績にとらわれず、長い目で見て子供が能力をのびのびと発揮していけることを目標に、親子で一緒に小1の壁を乗り越えていきましょう!
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