子供が小学生になると、どうしても「頭の良さ」が気になってきますよね。
一概に、「学校の成績が良い子=本当に頭がいい子」とは限らないけれど、ここでは東大生が小学生の頃どのように過ごしてきたか、親がどう接してきたかなど、5つの東大生アンケートを総まとめして頭が良くなる秘訣を探っていきます。
東大に合格する子を持つ家庭は、小学校から成績重視でバリバリお勉強をさせてきたかと思いきや、意外にも
「子供の好きなことを思う存分させた」
「勉強しなさいとは言わなかった」
という家庭が多いことがわかりました。
「勉強勉強」と言わずに子供の好きなようにさせても、自ら勉強を好きになって取り組むのはなぜでしょうか?
親はいったい何をすればよいのでしょうか?
モンテッソーリ教育とチャイルドコーチングの指導者で1児の母でもある筆者が、頭が良くなる小学校生活の3つのコツを、詳しくお伝えしていきます。
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頭の良くなる小学生生活・遊びと生活編【東大アンケート総まとめ】
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頭の良い子は幼児期に決まる?6つの東大生アンケート総まとめ!
子供の頭が良くなるコツ①
叱らず褒めて勉強好きにしよう!
まずは勉強に関するアンケートから。
東大生が小学生の時、どんな風に勉強をしていたのかみていきましょう。
東大生は小学生時代どれくらい勉強していた?
Q. 小4の平日の自宅での勉強時間は?
東大生 | 一般 | |
30分未満 | 23.9% | 1.5% |
30分~1時間未満 | 31.5% | 50.0% |
1時間~2時間未満 | 38.0% | 44% |
2時間以上 | 6.5% | 4.5% |
学研総合教育研究所『小学生白書Web版』小学4年生200人 (2010年)
東大生もそれ以外も、平均勉強時間はおよそ1時間というところ。
一般のアンケートは2010年と少し古いものですが、2019年のベネッセ教育総合研究所の調査でも小4の平均勉強時間は59.5分とほぼ変わりません。
東大生だからといって、小学生時代から長時間た勉強をしていたわけではないことがわかりますね。
ただ、東大生のアンケートのコメントには、
「短時間で集中して勉強していた」
「勉強以外にやりたいことがあったので、いかに効率よく終わらせるかを考えていた」
「家で勉強したくないので、学校の授業を集中して聞いていた」
といった声が多く、「勉強が嫌いだからしなかった」というわけではないようです。
また、
「低学年から、毎日机に向かう習慣はついていた」
「帰ったら先に勉強を終わらせてから、好きなことをしていた」
という人が多いのも東大生の特徴。
学習時間の長さよりも、『短時間でも毎日勉強する・集中する・先にやってから遊ぶ』という習慣が身についていたことがわかります。
そしてこの習慣を身につけるには、まだ「勉強って楽しい!」と学ぶ意欲がある小学校低学年から始めるのがコツ。
通信教育のZ会が2017年に行った『東大生・京大生Webアンケート (44人)』でも、
「小学校から帰るとすぐに勉強する習慣がついていたおかげで、中学校に入ってから部活で疲れて帰宅したときもしっかり勉強することができた」(東大生・男性)
「とりあえず毎日机に向かう習慣は完璧についていたので、高校に入って学校の勉強が難しくなってもついていくことができた」(東大生・女性)
といった、「学習習慣がついていて良かった」という意見がたくさんありました。
小学校低学年のうちに習慣づけに成功して、「帰ったらすぐに勉強を終わらせないと何だか気持ち悪い」とまで思えるようになればシメタもの。
別に難関校を目指さなくても少なくとも中学卒業まで9年間はし続けなければならない『勉強』というものが、楽になりますよ。
また、「東大生は生まれつき頭がいいから、勉強時間が短かっただけでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。
でも、東大新聞社が東大1年生2875人に聞いた『東大合格に実力以外で必要だとで思うものアンケート』(2019年11月) では、「先天的な要素」はたったの18.6%でした。
やはり、勉強の仕方や集中力がものをいうようです。
東大生は小学生の頃、学校の宿題はすぐやった?
家に帰ってまず勉強を終わらせていたという東大生。
宿題はどうだったのでしょうか?
Q. 小学生のころ、学校の宿題はいつ取り組んでいた?
東大生 | |
帰ってきてすぐに自主的に取り組んでいた | 25% |
その日のうちに自主的に取り組んでいた | 54% |
翌日の朝など提出ギリギリに取り組んでいた | 11% |
「やりなさい」と言われるまでやらなかった | 6% |
『早いうちに自主的に取り組んだ』があわせて79%!
親に言われてやる子はなんと6%しかいませんでした。
一般のアンケートでは、
一般 | |
自主性に任せる | 51.3% |
声をかける | 48.6% |
となっていて、特に男の子は親が声をかけてからやる割合が高いという結果が。
東大生は男子学生が8~9割を占めるのに、一般アンケートより30%以上も宿題を自主的にしていたなんて、すごいですよね。
そこには、勉強の出来不出来だけではなく、自己管理能力や自制心の高さががうかがえます。
でも、毎日の宿題はササっと終わらせていた東大生も、夏休みの宿題となると少し事情が違うよう。
Q. 小学校時代、夏休みの宿題にどう取り組んでいた?
東大生 | 一般 | |
夏休みの初めのうちに終わらせる | 37% | 40.2% |
計画的にコツコツやって終わらせる | 9% | 49.3% |
ギリギリにやる (間に合わない・やらないを含む) |
54% | 7.5% |
株式会社イオレ『夏休みの宿題についてのアンケート』小学生世帯1337人 (2021年8月)
一般的には、夏休みの初めのうちに、もしくは計画的にコツコツと取り組む小学生が約9割を占める中、東大生の小学生時代は、初めにする子とギリギリにする子の2タイプに見事に分かれました。
計画的にコツコツする子はたったの9%。
初めにしても後にしても、とにかく一気に終わらせるということのようです。
これは、毎日の勉強を短時間で終わらせるのと同じで、コツコツのんびりやるよりも集中して一気にやってしまいたいということなのでしょう。
ギリギリまでやらない子は、きっとそれでもできる自信があるのかもしれません。
2013年8月のフジテレビ『ホンマでっか!? TV』の中でも、尾木ママこと尾木直樹先生が、
「夏休みの宿題を先送りする子は、『積極的先送り』といって時間を有効活用し集中力が高いのが特徴で、ものすごく優れている子と言える」
と話していました。
また東大生アンケートの中で面白かったのは、「夏休みが始まる前に宿題を予測して終わらせた」という人がいたり、はたまた「宿題はやらなかった」という回答もあったこと。
小学生で「宿題をやらない」という選択肢があるんですね^^; つわものです。
いろいろなアンケートを見ると、東大に入る子は小学生時代から親のコントロール下ではなく「自分でどうしたいのかを考え、そのポリシーの元に勉強したり遊んだりしていた」という傾向が強く感じられます。
東大生は小学生の頃から勉強が好きだった?
そんな、小さい頃から自分のポリシーの元に勉強をしてきた東大生。
勉強自体は小学生の頃から好きだったのでしょうか?
それとも、好きではないけれど得意なだけだったのでしょうか?
Q. 小学生のころ勉強が好きだった?
東大・京大生 | 一般 | |
好きだった | 86% | 60.2% |
嫌いだった | 14% | 39.8% |
東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所共同研究『子どもの生活と学びに関する親子調査』小4~6・4,483人 (2020年)
Q. 大学生の今現在、勉強は好き?
東大生 | 全般 | |
好き | 73.4% | 40.9% |
嫌い | 26.6% | 59.1% |
マイナビ学生の窓口調べ『ぶっちゃけ勉強って好き?』大学生403人 (2017年5月)
東大生(Z会アンケートは京大生も含む)は、小学校から大学までずっと勉強好きのようですね。
ベネッセの一般アンケートでは、勉強が好きな子は中学生では50~40%台、高校では40~30%台と減っていくので、大学生になっても7割以上が勉強好きな東大生は本当にすごいです。
しかも、大変であるはずの大学受験も、61.4%が「楽しかった」と答え、38.6%の「苦しかった」を大きく上回っています。
また、いつから勉強が好きになったかという問いでは、
Q. 東大生はいつから勉強が好きになった?
東大生 | |
小学生 | 50.4% 内訳 入学前 17.8% 低学年 17.0% 高学年 15.6% |
中学生 | 22.2% |
高校生 | 27.4% |
と、半数以上が小学生卒業までには勉強好きになっていたようです。
では、どうすればそんな風に勉強が好きになれるのでしょうか?
Q. 勉強が好きになったきっかけは?(複数回答)
東大生 | 一般 | |
親や先生に褒められたから | 69.6% | 37.8% |
テストの成績がよくなったから | 47.8% | 48.1% |
友達との競争に勝てたから | 47.8% | 32.6% |
勉強の内容が興味深かったから | 43.5% | 65.2% |
賞が取れたから | 13.0% | 9.6% |
その他 | 4.3% | 13.3% |
小学生のうちは、褒められることで「自分は勉強が得意なんだ」と思いやすく、勉強がどんどん楽しくなっていきます。
東大生は、「できるから褒められた」のではなく「褒められるからできるようになった」と言えるかもしれません。
また、プレジデントのアンケートのコメントには、次のような勉強好きになったきっかけも書かれていました。
「早く物知りになりたいと思った」
「わからないことがわかる喜びに気づいた」
「勉強のゲーム性に魅力を感じた。やればやるほど身につき、まさにゲームの中のキャラクターになった気分」
Z会のアンケートでも、
「何かを知るということをずっと楽しいと思って生きてきました。
親にそれが楽しいものだと教えられたし、博物館や科学館にもいっぱい連れて行ってもらいました(東大生・男性)」
というコメントが。
どうやら、勉強が好きになるかどうかは、『勉強=楽しい』と思えるかどうかが鍵のようです。
勉強を楽しいと思うには、難しい勉強を先取り学習して目先の成績をよくするよりも、
「知りたい!」
「わかると嬉しい!」
という無邪気な好奇心がたっぷりある幼少期に、いかにそのワクワクする気持ちを潰さずに伸ばせるかが大切。
「我が子の頭が良くなるように」と思うと、ついつい難しいドリルなどに手を伸ばしてしまいがちだけど、たくさん褒める、子供の知的好奇心を刺激する、といったことの方が将来的に能力を伸ばしていくんですね。
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子供の頭が良くなるコツ②
親は子供のサポーターに徹しよう!
ここまでで、子供の頭が良くなるには、
- 小学校低学年から短時間でも学習習慣をつける
- たくさん褒めて好奇心を伸ばして勉強好きにする
のが良いという事がわかりました。
では、そのために親は具体的にどのように子供に接すればよいのでしょうか?
東大生の親は「勉強しなさい」と言った?
小学校低学年から学習習慣がついていたという東大生。
親は「勉強しなさい!」と言っていたのでしょうか?
Q. 【東大生】子供の頃、大人に「勉強しなさい」と言われていた?
東大生 | |
全く言われなかった | 57% |
ときどき言われていた | 35% |
ほぼ毎日言われていた | 8% |
ほとんどの東大生は、子供のころに「勉強しなさい」とは言われていないんですね。
一方で、一般的には親が子供に勉強を促すことはごく当たり前のようです。
Q. 【一般】子供に「勉強しなさい」と声をかける?
一般 | |
小1 | 84.9% |
小2 | 87.0% |
小3 | 85.9% |
小4 | 85.7% |
小5 | 82.5% |
小6 | 76.2% |
「だって言わないといつまでもやらないから」
という親御さんも多いと思います。
でもベネッセの調査によると、小学生の平日の平均勉強時間は、勉強しなさいと言われた子は、言われていない子と比べてたった4分しか多く勉強していなかった言われていない子と比べてたった4分しか多く勉強していなかったとのこと。
社会心理学の広島文教女子大学の深田博己教授は、それは『心理的リアクタンス』が原因だと言います。
心理的リアクタンスとは、
「選択の自由が外部から侵害された時に生じる、自由を回復しようとする反発作用」
のこと。
「勉強しなさい」などの強制する言葉は、たとえそれが自分にとってプラスになることでも、他人に行動を決められることに嫌悪感を感じ、心理学的に逆効果になってしまうのです。
では、どうすれば何も言わなくても勉強してくれるのでしょうか?
それには、次のような方法が良いと言われています。
- 将来の話をする
- 一緒に勉強の計画を立てる(子供主導で)
- 親自身も一緒に勉強や読書をする
- 「お母さん(お父さん)に何かできることはある?」と、強制せず見守る姿勢を示す
- 本物に触れさせ、興味の範囲を広げる
ベネッセの一般アンケートで効果があったと結果が出ているのは、「将来の話をする」こと。
将来のビジョンをしっかり持たせることで、勉強に対する意欲が沸いてくるそう。
東大生へのアンケートで多かったのは、「親も一緒に勉強する」こと。
「勉強中はいつも親が隣で読書をしていた」
「父親の書斎で一緒に勉強し、父と自分とどちらが集中力が長く続くかを競っていた」
など、家庭内に勉強しやすい環境があったとの意見が多く見られました。
確かに、家族皆がテレビを観ているのに自分だけ勉強しろと言われても…という気持ちはわかりますよね。
また、何かに興味を持って没頭した経験のある子供は、勉強にも集中しやすいことがわかっています。
プレジデントファミリー『東大生184人頭のいい子の育て方』(2019年秋号) のアンケートでも、「夢中になって時間を忘れたことがある?」という問いに、東大生の89.1%がYESと答え、そのうち小学校低学年から勉強が好きだった子では、なんと100%!
これは脳の仕組みによるもので、集中することで快感を得る脳内物質(ドーパミン)は、勉強でも趣味でも遊びでも同じように分泌されます。
その回路(脳のクセ)を作っておくことが大切なのです。
そして、何かに興味を持たせるには小さい頃から様々な『本物』に触れさせるのが効果的。
株式会社コペルの『幼少期の教育環境に関する調査』 (2021年3月) でも、東大生はそれ以外の子に比べて幼少期に天体観測やコンサートでの生演奏の鑑賞をしたことがある率が高いという結果が出ています。
野山の自然・博物館・コンサート・スポーツ観戦など、親子で一緒に楽しんで、子供の興味が深まる環境作りをしていきたいですね。
さらに、プレジデントファミリーのアンケートを監修した開成中学・高校の元校長であり、東京大学名誉教授の柳沢幸雄先生は、勉強を強制せずに見守ることの大切さを次のように述べています。
そして自分の好きなことをとことん追求する喜びを知ったのです。
例えば子供がゴロゴロしているとき、もしかすると哲学的なことを考えているのかもしれない。
世紀の大発見につながるものを見つけたのかもしれない。
表層的な行動のみで判断して『勉強しなさい』なんて言ってしまったら、子供の思考を邪魔するだけですよ」
子供は親がコントロールして導くべき、と思わず、子供が自分で成長していくのを信じて見守ることも大切なんですね。
東大生の親は、どんな接し方で子供の能力を伸ばした?
「勉強しなさい」と言わなかったこと以外にも、東大生が育った家の教育方針には特徴がありますよ。
Q. 子供の頃、親はよく褒めてくれた?
東大生 | ||
よく褒めてくれた | 全体 | 82% |
「勉強が好き」と答えた子 | 84.5% | |
「勉強が嫌い」と答えた子 | 75.6% | |
「小学校入学前から勉強が好きだった」と答えた子 | 91.6% |
小学生、特に低学年の子供にとって、生活などの物理的な面でも考え方や価値観などの内面的な面でも、親の占める割合はとても大きいもの。
その親に褒められることは大きな喜びです。
正確には『褒められる』というより『認められる・承認される』ということです。
「あなたがいてくれてよかった」という存在の承認から、「頑張ったね」という行動の承認まで。
親にたくさん認められた子は、自己肯定感が高くなり、何をするにも自信を持って前向きに取り組むことができます。
上でも触れましたが、東大生が勉強が好きになったきっかけの第1位は、「親に褒められたこと」。
「よく頑張ったね」
「毎日勉強していてすごいね」
と子供の努力をたくさん褒めて、自己肯定感を高めていきたいですね。
ただし、
「よくできたね」(成績が良いことを褒める)
「1番になってすごいね」(他の子達と比べて褒める)
という褒め方は、無条件に子供を承認することにはならないので、本人の頑張りや以前と比べた成長を褒めるようにしましょう。
また、東大生の親は子供の話や意見をよく聞いていた、というアンケート結果もあります。
Q. 小学生の頃、親は自分の話を聞いてくれた?
東大生 | |
聞いてくれた | 90.7% |
なんと9割の東大生が、親は話をよく聞いてくれたと回答しました。
株式会社インタースペースの『東大生は幼少期どのような生活を送っていたか・実態調査』現役東大生302人 (2021年5月) のコメントには、
「ケータイやパソコンをいじらず、目を見て話を聞いてくれた」
「自分の疑問になるべく答えようとしてくれた。大人同士の話も子供でもわかるように噛み砕いて教えてくれた」
「学校の話をたくさん楽しそうに聞いてくれた」
「学校の授業や読書で得た知識を話すと決まって褒めてくれた。これで学びへのモチベーションが高まった」
という声が。
子供が話しかけてきたとき、ついついスマホを見ていたり、「今忙しいから後でね」と言ってしまったりすることがあるかと思います。
子供の話にしっかり耳を傾けるということは、先の褒めるのと同じ『承認』。
「あなたの話を聞きたい・あなたのことをもっと知りたい・あなたの話には聞く価値がある」
と、子供を認める気持ちを暗に伝えているんですね。
柳沢幸雄東京大学名誉教授も、
それは、親が子供の話に耳を傾けること。
親に自分の話を聞いてもらえる子は、精神が安定し、安心し、自信を持てて、もっと上手に話そうと脳がフル回転します」
「脈絡のない子供の話を聞くことは、親にとってもたやすいことではありません。(中略)
それでも一生懸命に話したことに親が耳を傾けてくれると、『通じた』ことに喜びを感じる。
それが安心と自信につながるのです。」
とおっしゃっています。
子供の話を聞くときには、上の東大生のコメントにもあるように「楽しそうに聞く」ことがポイント。
また、「それは違うんじゃない?」と否定したり、「もっとこうしたらいいよ」と親の意見を押し付けたりせず、ただただ聞くことに徹することも大切ですよ。
次に、「子供の意見を聞いたか」というアンケート。
Q. 子供の頃、親が自分の意見を聞いてくれた?
東大生 | |
聞いてくれた | 86.5% |
こちらも高い数値ですね。
同じく株式会社インタースペースによる『東大生の幼少期の実態調査』のコメントでは、
「何から何まで面倒を見るのでなく、一緒に考えた上で自分に任せてくれた」
「何か決める際にいつも『どうしたい?』と私に意見を聞いて尊重してくれた」
「自主性を尊重し応援してくれた」
「自分が取り組みたいと言ったこと、興味があることにはしっかり向き合って応援してくれたため、伸び伸び取り組めた」
「集中している時に途中で遮らないで待っていてくれた」
などの声がありました。
東大生って、入る子供もすごいけど、育てる親もすごい!
しっかりした子育てポリシーと、親自身の自制心や忍耐力が本当に素晴らしいと思います。
小学生の子供はまだ世界が狭く、考えることも一元的。
たいていは大人の考え通りにやったほうが早く正しく、何でもうまくいきますよね。
でも、あえて手間と時間をかけて子供の意見を聞くことで、子供の脳と心をグングンと育てていくのです。
習い事や進路などの大きなことではなくても、
「今日のご飯、こんな材料があるんだけど何作ろうか?」
「今日は1日自由だよ。どうしたい?」
たったそれだけのことでも、自分の意見を聞かれた子供は頭をフル回転させて真剣に考えますよ。
また、頻繁に意見を求められることで、常に目の前の物事に対して、自分はYESなのかNOなのか、自分ならどうするのか、ということを考える癖が付きます。
それが、今教育改革で求められている力である『思考力』や『自己表現力』につながっていくのです。
東大や京大の入試問題を見ると、公式や定型文をいくら覚えても解けない、自分で考えて表現する力を問われる問題がたくさん。
小さい頃から机上の勉強だけではなく、日常生活の中で自分で考えて決断する経験を多く積んでいるからこそ、合格できるんですね。
また、子供を伸ばすための親の役割について、柳沢幸雄東京大学名誉教授は次のように述べています。
それが、その子が伸びるきっかけになります。
親にできるのは、子供が興味を持ったことに『ちょい足し』してやること。
例えば、電車が好きな子であれば、一緒に電車に乗って駅名に興味を持たせたり、路線図や地図を与えてみたり。
そこからさらに知識欲が高まっていくでしょう。」
子供の意見や考えを否定しない、親は価値観を押し付けるのではなくサポートすることが大切だということです。
親が主導するのではなくサポートに徹することの大切さは、こんな東大生の声にも表れています。
東大生がこれまでに親に言われて嬉しかった言葉は?
「私たちは、決めたことは全力で応援するから」
「私たちはね、合格しなくてもいいと思っている。今まで積み重ねた過程が誇らしいから」
「あなたはあなたのままでいい。ただ生きてさえいてくれれば、それだけでいい」
「頑張りなさい」とか、
「ここで気を抜いたらこれまでの努力が水の泡だよ」とか、
そんなことは言わないんですね。笑
子供を信じる。任せる。
受験期だけではなく、小学生のうちから自分の考えを尊重してもらった子供は、きっと自信をもって人生を切り開いていけるのでしょう。
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子供の頭が良くなるコツ③
仲良しファミリーに学力アップの秘訣あり!
東大生アンケートからみる子供の頭が良くなるコツの3つ目は、『家族仲』。
東大生ファミリーは仲が良い!
Q. 学校や友達のこと、地域や社会の出来事など、家庭での会話は多かった?
東大卒 | 東大以外卒 | |
会話は多かった | 42.6% | 28.0% |
2017年のZ会『東大生・京大生44人アンケート』では、
「小学校の頃は土日に家族全員そろってトランプやUNOで遊びました。とても楽しかったのを覚えています」
「『みんなでオセロや将棋をやろうよ』と母親に言ったのを覚えています」
と、家族で遊んで楽しかったというコメントが。
また、ドラゴン桜の脚本監修をした西岡壱誠さんが、多くの東大生に取材をして「親にしてもらって嬉しかったこと」を聞いたところ、
- 家族一緒に朝ご飯を食べること
- 夫婦仲がいいこと
- 家事の手伝いをさせてもらったこと
などの意見が多かったそうです。
家族の仲が良いと、家が安全基地になり精神的に安定するので、勉強に集中できるということなのでしょうね。
また、家族の雰囲気が安定していると、
「この家族にとって、自分は生まれてきて良かった存在だ」
「ここには自分の居場所があり、役割がある」
と感じられ、自己肯定感も高まります。
子供が小さい時期には往々にして両親とも忙しくバタバタしていて、家事の分担や教育方針の違いなどから、夫婦喧嘩が一番多くなる時期かもしれません。
でも、家族皆そろってご飯を食べたり遊んだり出かけたりできるのは、実は子供が小学生の時期まで。
中学生になり子育てがひと段落して、親の心に余裕ができる頃には、子供は部活や塾で家にいなかったり、反抗期で家族と過ごすのを嫌がったり。
朝食さえ同じタイミングで食べるのは難しくなります。
家族がそろって過ごせる貴重な幼児期~小学生時代を、ぜひ大切にしていきたいですね。
ただし、家族仲を良くするといっても、必ず両親がいつも家にそろっていなければいけないということではありません。
シングルマザー・ファザー、単身赴任、仕事の都合などでワンオペ育児をしている場合などでも、もちろん子供にとって良い家庭環境を作ることができますよ。
一般的に、子供の自己肯定感が高くなりやすい家庭の傾向は、
- 何でも話しやすい雰囲気がある
- 家族同士でも「ありがとう」「ごめんね」をきちんと言い合える
- 笑顔や笑い声が多い
- 人の悪口が話題に上らない
- ネガティブな会話が少ない
- 家族がお互いの考えや価値観を尊重し合っている
- 親も自分の人生を充実させて楽しんでいる
など。
こういった家庭環境だと居心地がよく、子供も余計な気遣いをしなくて済むので、持てる力をのびのびと発揮することができるのですね。
外では何かとストレスや葛藤が多い子供たち。
それぞれの家庭の事情がある中でも、子供にとって家の中が少しでも心安らげる場所になるように心がけましょう。
まとめ・頭がよくなる小学生生活のコツは?
『お子さんが東大に合格した家庭』と聞くと、どんな教育熱心なお家で小学生の頃からビシバシお勉強をさせてきたのだろうと想像してしまうけれど、実はそうではないことがよくわかりました。
「勉強をさせること」だけではない努力を、親がきちんとポリシーを持って幼少期からおこなっているのです。
- 上手に褒めて、勉強を好きにさせる
- 「勉強しなさい」とは言わず、任せて見守る
- 子供の話をきちんと向き合って聞く
- 子供の意見を聞き、たとえ親の意見と違っても尊重する
- 親の価値観を押し付けず、サポーターに徹する
- 本物に触れさせ、興味の範囲を広げる
- 「知りたい!わかると楽しい!」という好奇心にとことん付き合う
- 将来の話をたくさんして、ビジョンを持たせる
- 親自身も一緒に勉強や読書をする
- 家族で一緒にご飯を食べ、一緒に遊ぶ
- お手伝いをさせ、役割を持たせる
- 人の悪口やネガティブなことを言わない
- 親も自立し人生を楽しむ
正直これを全部やるくらいなら、難しいドリルを買ってきたり、「勉強しなさい」と言いまくって早くから塾に入れてしまう方が、親にとってはずっとラク。笑
でも残念ながらそれでは子供の『地頭』は良くならないようです。
東大に合格した家庭を調べれば調べるほど、普通のようで普通ではない、すぐに出来そうでなかなか出来ない素晴らしい子育てを実践されているなぁと思いました。
一番強く感じた共通点は、
- 子供をコントロール(支配)しようとしていない
- 幼少期から子供を1人の対等な人格として接している
ということ。
ちなみに、知り合いの息子さん娘さん2人とも東大に入った親御さんも、底抜けに明るくゆる~いタイプのお母さんで、
「私は本当に何もしていないの。子供が自分で入りたいと思って頑張ったみたい」とサラッと仰っていました。
ちなみにそのお母さんは今、50代のママさん達でバンドを組んで楽しんでいます ^^
結婚して独立したお子さん達とは今でも大の仲良しのようですよ。
塾などのHPを見ると、
「何年生までに〇〇ができて、何年生までにここまで先取りしておかないと間に合わない」
などの情報が溢れていて、焦って子供を追い立ててしまいそうになりますよね。
けれど、長い目で見て本当に『子供の頭を良くする』ために小学生でやっておかなくてはならないことは、子供の気持ちを煽ってひたすら難しいお勉強をさせることではないようです。
子供のためを思ってすることが子供の将来を潰してしまうという本末転倒にならないように、親の役割をしっかりと考えていきたいですね。
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幼児に本当に必要な教育はこの3つ!~小学生になってわかったこと