子供が生まれてしばらくすると、だんだんと『幼児教育』というものが気になってきますよね。
「なにか幼児教育を受けさせたほうがいいのかな?」
「そもそも幼児教育って必要なの?」
と悩む方も多いかと思います。
モンテッソーリ教育とチャイルドコーチングの指導者で1児の母でもある筆者が、詳しくお伝えしていきます。
幼児教育とは?
幼児教育=早期教育?
『幼児教育』とは一体何なのでしょうか?
『幼児教育=早期教育』なのでしょうか?
「うちは早期教育をさせるつもりはないから、幼児教育は必要ない」
という方もいらっしゃるかもしれませんね。
たしかに、幼児教育の中でも『早期英才教育』と呼ばれるものは、一部の子供(5%と言われています)を天才児にする可能性がある反面、脳に弊害を与える可能性がある、ということがわかってきています。
また、幼少期をお勉強を中心に過ごした子供よりも、遊びを中心に過ごした子供のほうが、小学校高学年辺りでは成績が優秀になっている、というデータもあります。
でも、『幼児教育』とは、必ずしも小学校の学習を先取りする『早期教育』だけではありません。
『昔なら親やおじいちゃんおばあちゃん・兄弟・地域の大人たちが日々教えてくれていたようなことを、教材で学ぶ』
という現代ならではの意味合いがあります。
たとえば、
山川海などの自然のこと、動物や昆虫の知識、紙芝居、工作、歌、時計の読み方、お金の数え方、そろばん、あいさつ、マナーなど…
昔ならわざわざ習わなくても、家族親戚や地域の方たちが、あちらこちらで教えてくれましたよね。
その中で、簡単な読み書きや計算、社会のルールや他人への思いやりなど、小学校に上がる準備を自然に学べたわけです。
でも現代では、そういう環境は少なくなっているのではないでしょうか?
『幼児教育』とは、小学校入学までに最低限身につけておきたいことを、どのような環境にいる子供でもひと通り習得できる、とても便利なものなのです。
そういう意味で、幼児教育は現代の家庭にとって『必要なもの』と言えます。
そして子供だけでなく、親にとっても子育ての手助けをしてくれる便利な存在ですよ。
ただし、中には早期英才教育を目的とする教材もあるので、何を目的としたいのかご家庭でよく話し合って選んでいくことが大切です。
幼児教育が子供に必要な3つの理由
では、具体的に幼児教育はなぜ必要と言えるのでしょうか?
3つのメリットを見ていきましょう。
幼児教育が必要な理由① 「机に向かうことが楽しい!」と意識付ける
6歳までの幼児期に、毎日ほんの少しでもいいので、家で机に向かう習慣をつけておくと、小学校に入学してから学習するのが苦にならなくなります。
それは『勉強』でなくても、お絵かきや工作でもいいですよ。
できれば決まった時間に『机に向かう』ことを習慣付け、
「机に向かう=楽しいこと!」
という感覚を植え付けてあげましょう。
6歳で脳の90%が完成するまでに、無意識の領域に刷り込まれた感覚は、高校受験・大学受験の年齢になっても変わることはありません。
逆に、小学校に上がってから、急に毎日机に向かうことを義務付けられると、
「勉強=ツラいこと・強制されること」
と抵抗を感じたり、イヤだと感じてしまうことが多いようです。
少なくとも小学校から9年間は、毎日必ず学校で何時間も授業を受けなければならないので、勉強嫌いになってしまっては学校生活がツラいものになってしまいます。
頭が柔らかいうちに、机に向かうことがワクワク楽しいことになるように、意識付けてあげましょう。
幼児教育が必要な理由② 小学校生活がラクになる
小学校に上がるって、子供にとっては大変なこと!
環境が変わり、自分でしなければならないこと・覚えること・我慢しなければならないことが一度にたくさん出てきます。
優しくお世話してくれる保育士さんや幼稚園の先生はもういないのですから。
小1の勉強でいきなりつまずく子が多いのは、そういった環境の変化の影響もとても大きいのです。
入学前の幼児期にある程度の学習習慣がついていて、いろいろなことに興味が持てる下地ができていると、『学校』『勉強』という小1の壁を少しでも低くすることができます。
小学校生活を少しでもラクに過ごせるようにしてあげるためにも、幼児教育には大きな意味があります。
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幼児教育が必要な理由③ 脳に刺激を与える
人間の脳は、3歳までに80%、6歳までに90%が出来上がるということがわかっています。
特にイメージ力・ひらめき力・記憶力を司る右脳は、6歳を超えるとほとんど発達させることができません。
(不可能ではないですが、とてもたくさんの時間と労力を要します。)
6歳までの脳が発達段階にある時期に、読み書き計算だけでなく、『パズル・工作・絵本・音楽を聞かせる・歌を歌う・体を動かす』など、左脳にも右脳にも程よくバランスよく刺激を与えるのが理想的だと言われています。
でもなかなかそんなにバランスよく子供に働きかけるのは、難しいですよね。
そんなとき、幼児教育の教材はいろいろな分野の刺激をまんべんなく与えてくれます。
しかし、幼児期に何かに偏って脳の一部だけを開発してしまうと、将来その他の分野の学力に弊害が出ることがあると言われているので、偏ったやり方には注意が必要ですよ。
また『知識の詰め込み』ばかりをしてしまうと、将来社会性や感情面で問題があらわれる、というデータもあります。
ですので、あくまで「バランスよく」、そして必ず「子供が楽しんでいることを前提に」、遊びも含めて程よい刺激を与えていくことがとても大切です。
幼児教育って、具体的にどんなことをするの?
では、『早期英才教育』ではない『幼児教育』って、具体的にどんなことをするのでしょうか?
総合的な幼児教育の教室や通信教材ですることは、主に次の通りです。
0〜3歳
- 絵本・歌・知育玩具などで五感を育む
- 挨拶・食事・トイレなどの生活習慣を学ぶ
- 体を動かす
年少~年長
- ひらがなカタカナ・数字・時計の読み方などを学習する
- 生き物・自然・社会のルールやマナーなどを学ぶ
- 考えることの楽しさを知る
(※ 小学校受験を目的とする塾などでは、学ぶ内容が大きく異なることがあります。)
これらに加え、英語学習をおこなう幼児教育・教材もあります。
こうしてみると、特に0〜3歳までの幼児教育は、『幼児教育』というよりも、『ママやパパの子育てを手助けするもの』。
年少〜年長の内容も、もし大家族で地域との関わりも多く、幼稚園などである程度学ぶことができるお子さんには、わざわざ幼児教育で学ぶ必要のないことと言えるかもしれません。
ですが、核家族だったり兄弟が少なかったりご両親が働いていたりするご家庭には、幼児教育は子供にも親にも大きな助けになる、ということです。
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幼児教育は『通い型の教室』と『通信教育』、どちらがいいの?
幼児教育には、『通い型の教室』と、家でできる『通信教育』とがあります。
どちらがよいのでしょうか?
それぞれのメリットを比べてみましょう。
通い型の教室のメリット
- 先生がいるので、緊張感がある中で集中して机に向かえる
- 周りの子供から刺激を受ける
- 小学校受験を考えているご家庭は、どうしても通い型の教室ではないと学べないことがある
(面接の練習・先生との話し方・他の子供との関わり方など)
通信教育のメリット
- 毎日机に向かう習慣をつけるには、通信教育のほうがいい
- 週一回教室で学習するよりも毎日少しずつ家で学習するほうが、内容が身につきやすい
- その子に合ったペースで進められる
- 先生との相性の心配がない
- 親が隣で一緒に取り組むことで、脳に良い影響を与える
- 働いているママでも続けやすい
- 料金が安い
一概にどちらのほうがよいというわけではなく、通い型も通信もそれぞれの良さがあります。
もちろん両方できればよいのですが、6歳までの子供は、外で思いっきり遊んだり、家でごっこ遊びをしたりする時間も、将来能力を伸ばすためにはとても大切なことです。
教室に通って、さらに家でも通信学習と、あまりスケジュールを詰めすぎないように気をつけましょう。
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まとめ 〜幼児教育とは?本当に必要なの?
小学校に入る前の幼児期の子供にとっては、『遊ぶのが仕事』です。
遊びながら、友達や大人との関わりを学んだり体の動かし方を覚えたり、いろいろな知識を身につけたりして、自然からの課題を1つ1つこなしていきます。
その中で足りないものを補うのが『幼児教育』です。
もちろん幼児教育に対してはいろんな考え方があり、早期教育で小学校の勉強の先取りをさせたり、この時期にできるだけ脳を開発して何かの才能を開花させる可能性にかけてみたい、という親御さんもいらっしゃるでしょう。
ですが、長い目でみて、将来子供が自分の力を発揮できる人になるように、自分で考え・決断し・行動できる人になるようにするには、幼児期に『頭と心』をバランスよく発達させておくことがとても大切です。
幼児期は、小学校からの学習でたくさんの知識や考え方を入れるための『好奇心の器』『思考力や行動力の器』を、より大きくしておく時期です。
器が小さいまま早期にたくさんの知識を詰め込んでしまうと、小1〜2くらいではアドバンテージがあるかもしれませんが、その先に能力を伸ばすことはできません。
残念ながら実際にそのようなお子さんもたまに拝見します。
ですので、幼児教育とは、あくまで
『子供の成長を助けるもの』
『親御さんの子育てを助けて、より良い親子関係を築くもの』
という位置づけで、おすすめしますよ。
一生に一度しかない幼児期を、子供の健やかな成長を手助けしながら大切に過ごしていきたいですね♪
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